地下足袋メーカーの丸五 足袋型靴を3年後10万足へ

2019/07/18 06:26 更新


 老舗地下足袋メーカーの丸五(岡山県倉敷市、藤木茂彦社長)が、日常生活でも履ける足袋型シューズや足袋型トレーニングシューズの販売を強化している。8月2日には、東京・日本橋に同社初の路面店「マルゴトウキョウ」を開設。国内外に足袋の魅力を発信する。

 丸五は今年で設立100周年を迎える老舗地下足袋メーカー。会社設立時から鳶(とび)・大工・造園職人、お祭り参加者が履く地下足袋を製造するほか、現在はスニーカータイプの作業用安全靴などを手掛ける。日本独自のアイテムとして海外でも関心が高まったことや、足袋の着用で足指が鍛えられ身体能力も高まるという効能がスポーツ分野で注目されたことから、数年前に新型足袋シューズの製造を開始。地下足袋の特徴である足の指で地面をつかむような感覚は残しながら、カジュアルなデザインに落とし込んだ日常用の「たびりら」や、足指を鍛えて足本来の力を引き出せるトレーニングシューズの「ヒトエ」などを始め、倉敷にある本社工場で製造している。

 現在、これら新型の足袋シューズをECを中心に年間約3万足販売している。今後はファッションやスポーツ小売店への卸売りや海外販売を強化し、3年後の22年中に年間10万足を販売する計画だ。

 新型足袋シューズの販売強化の一環で、8月2日には東京・日本橋に約65平方メートルの路面直営店を開設する。たびりらやヒトエのほか、子ども向けの足袋型シューズ、お祭り用の足袋なども揃え、外国人客にも訴求していく。

 同社の18年12月期売上高は49億円。新型足袋シューズの販売強化やそれに伴う伝統的な地下足袋の販売増により、22年度には売上高を55億円へ引き上げる計画だ。

路面店では地下足袋職人による製造実演や体験イベントも定期的に開催する
裸足のような履き心地を実現するカジュアルシューズの「たびりら」


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