《めてみみ》ドイツの宅配事情

2019/06/19 06:24 更新


 ドイツに出張した。現地企業に中高校時代の友人が勤めており、久しぶりに会って食事でもという話になった。家族で近郊のマンションに暮らしているというので、いろいろと話を聞き、宅配事情にはいささか驚いた。

 よくネット販売を利用するらしいのだが、共働きのため宅配業者が荷物を持ってきた時に家にいないことも多い。そんな時、業者はとりあえず近所の家に預けて帰るのだという。もちろん知り合いでもなんでもない場合もあり、預けてある人の名前を見て「誰の家?」となることもしばしば。同じマンション内ならともかく、場合によっては違う棟の人に預けることもあるらしい。

 つまり再配達はまずしない。この日本との違いが友人は不満のようだった。きっちりと勤勉な国民性というイメージが強いドイツだが、アバウトな面もあるのかと考えさせられた。が、再配達にかかる物流コストを考えると、むしろその方が合理的なのかもしれない。

 物流問題は業界でも大きな関心事。自動化などでさらなる効率化は進むのだろうが、ネット販売の広がりで、今後も物量が増えることはあっても減ることはないだろう。日本でも再配達の削減は喫緊の課題。知らない人に荷物を預けられるのは確かに抵抗感があるが、こうした柔軟さは見習うべき部分もあるのではないだろうか。



この記事に関連する記事