2カ月に1回ほど、上海と日本をつないでオンライン取材や情報交換する機会を得ている。「ぜひつなぎましょう」と依頼されるケースもあって、上海と日本の情報をすり合わせ、ありがたい機会とさせてもらっている。
あるデザイナーブランド卸企業の社長は「日本のアパレル消費は厳しいけれど、高価格帯の消費は全く落ちていない」と語っていた。才能あるデザイナーが作り出すクリエイティブな服への購入意欲は活発で、そういったブランドを扱う地方専門店も絶好調という。中国でもラグジュアリーゾーンが好調だから、日中共通だ。
「今度DtoC(メーカー直販)ブランドを立ち上げます」という連絡が届くことも多い。中国でも新ブランドの立ち上げが活発で、特にネットを主力販路にした新興アパレルはどんどん増えている。そのうち中高価格帯の多くが、日本の生地や付属品を選んでおり、縫製を含めて質を高めている。
世界的にトレンドや売れ筋が均質化しているものの、新しく創造性にあふれたモノへのニーズは、どの国・地域でも望まれている。上海では10月に大型素材展やファッションウィークの開催が予定されている。素材は差別化の原点。コレクションは才能発掘の場。いずれも無事に行われ、ファッション産業を活性化する役割が果たされることに期待したい。