日本靴下協会の新春セミナーは、コロナ下でのウェブ開催となった。協会長の福助をはじめ、岡本やグンゼなど多数が参加。ウェブセミナー自体は一般化したが、開始時間が近づくと、ログイン画面に経営トップの名が次々と表示されるのは、なかなか得がたい光景だ。
セミナーのゲストは、京都で1日100食限定の人気店「佰食屋」を展開するミニッツの中村朱美代表。メニューは国産牛ステーキ丼など三つだけで売り切れごめん。働き方改革でも注目される。社員は勤務時間を自己決定し、休みは上司の許可制でなく申請書をポストに入れるだけ。高齢者や障害者の雇用も多いが「多様なスタッフがいることで、多様なお客さんに合ったサービスを提供できるから」と理由も分かりやすい。
とはいえ、労働の自由度が高いと、人員の足りない日が生じることもある。「その時は、80食でストップすれば良いだけ。人を揃えられなかった責任、売り上げの減少の責任は会社が取れば良い」
価値観の変化や在宅勤務増などを背景に、「ロイヤルティーの希薄化」に頭を悩ます企業が増えてきた。在宅勤務の制度化や環境の整備など様々な議論も大事。ただ、方法論以上に、「働かされているのでなく、ここは自分たちの会社だと感じてもらうことが何よりも大切」という中村さんの言葉が響いた。