大いに盛り上がったメジャーリーグベースボールのポストシーズン。一番印象に残ったのは、地区優勝決定戦で大谷翔平選手が投手として先発した10月4日のフィリーズ戦だ。2回に打ち込まれ3点を先制されたが、「味方が取り返してくれる」と信じ、追加点を許さないピッチングを継続。以降を抑え勝利投手となった。
びっくりしたのは大谷選手が打者として4三振と振るわなかったにもかかわらず、それを引きずらなかったこと。敵地の試合は大谷選手が三振するだけで大いに盛り上がる。それでも攻守が代わってピッチャーとしてマウンドに立つと、今度は逆に強打者を次々に三振に仕留めていた。大一番での失点や連続三振でも心が折れることなく、6回まで投げ切ったのは見事としか言いようがない。
大谷選手が優れた投手なのは語るまでもない。加えて調子が上がらない時でも大崩れせず、打撃が振るわずとも気持ちを切り替え最低限の仕事をする能力にも優れているのが見て取れる。
ビジネスでも予測が外れて事業がうまく行かなかったり、ミスが続いて計画通りに事が運ばなかったりすることがある。そもそも人が関わる以上、何らかの不調や不運が重なるのもあり得る。しかし「いつかは取り返せる」と信じ、傷を最小限に抑える努力は必要だ。大崩れしなかった大谷選手のように。
