経済産業省と国土交通省はインターネット通信の考え方を適用する新たな物流の仕組み「フィジカルインターネット」について討議する有識者会議「フィジカルインターネット実現会議」を新設、10月6日に第1回会議を開いた。労働力不足やコスト上昇など「物流が危機的状況にある」(中野剛志経産省商務・サービスグループ物流企画室長兼消費・流通政策課長)なか、デジタル技術を活用した新たな仕組みによって「究極の物流効率化」を目指す。40年の実現を目標とし、今年度内をめどにロードマップを策定する。業界ごとのワーキンググループも作り、百貨店業界も参画する。
フィジカルインターネットはIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などを活用して物資や倉庫、車両の空き情報などを「見える化」し、規格化された容器に詰められた貨物を複数企業の物流資産(倉庫、トラックなど)を共有したネットワークで輸送する共同輸配送システム構想。トラックの数が従来に比べて削減されるため、業務効率化だけでなく、脱炭素化にも有効とされる。既に欧州では約130の企業・研究機関などが参画する欧州物流革新協力連盟が研究を開始、30年の実現を目指している。