靴下を手掛ける芦屋・モコノ ショップに「ホールガーメント」導入 製造知識ほぼゼロから

2020/12/13 06:28 更新


 「こんな時期に借金抱えて機械を買って、わざわざ物作りに踏み出すってどう思います?」。そう話すのは、兵庫県芦屋市で靴下を手掛けるモコノの竹岡たまみ代表だ。芦屋のショップ兼事務所を改装し、島精機製作所の無縫製横編機「ホールガーメント」(WG)の大型機を入れることを決めた。これまで靴下の事業は、地元工場に委託して生産していたが、扱いアイテムを拡大するのを機に「やっぱり自分の手で商品を作りたい」と決意を固めた。

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 元はグラフィックデザイナー。キャッチコピーや商品企画には自信を持つ。「ものづくり補助金」の第3次公募で、「無縫製のカットソー製造によるSPA体制の構築」に合格し、構想が前に進んだ。ただ、編機やプログラミングの具体的な知識はない。「ガラケーを使っている私を見て、島精機をはじめ、紹介してくれたWGのニッター、ショップの改装業者が皆、『大丈夫?』と心配してくれて…」と苦笑いする。

 約33平方メートルのショップの3分の2を工房に改装する一方、間もなく島精機に5~6週間の研修に赴く。「自信はないけれど、息子も手伝ってくれるはず」。来春をめどに、新しい工房兼ショップがオープンする予定だ。靴下と同様に天然繊維中心に、締め付けず縫い目のないインナーなどを半袖・長袖各5型ぐらいでスタートする。「店の外から自分の商品が編み上がっていくのが見えるようなことが出来れば、お客さんに喜ばれるはず。とにかく前向きに頑張ります」と力を込める。

モコノの竹岡代表

(繊研新聞本紙20年11月10日付)



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