(第2項)目標設定・管理の重要性
5.売上の公式とは?①
今回からは、新しい項目である“売上の公式”について、お二方と学んでいきます。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたしますm(__)m。
まずTさんに質問ですが、Tさんのショップの売上予算はありますか?
はい、あります。ショップの売上予算は、ショップが達成しなければならない目標だと私は理解しております。
さらにTさんに質問です。売上という数字は、分解して考えることが出来るのですが、Tさんはご存知ですか?
はい、知っています。売上=買上客数×客単価です!
素晴らしいです!因みに、私が店長だったときは、このことを全く理解出来ていませんでした。
私のショップの(月)売上管理表は、以前は売上(実績・予算比・前年比)の記載しかなかったのですが、Dさんが部長になられてから、客数・客単価の実績と前年比が、記載できるようなフォームに変更になりました。
それは、とても良い心がけです。
Tさんが述べてくれたように、売上の公式とは、売上=(買上)客数×客単価になるのですが、売上を上げるには、客数を上げる施策を実践し客数を上げるか、客単価を上げる施策を実践し客単価を上げるか?この2択になるわけです。
今回からの講義はこの売上の公式を活用して、前回までの講義で行った、ショップの目標設定・管理を行っていきます。当然のことながら、売上の公式を活用した目標設定・管理には、“SMARTの法則”を活用に繋がります。
了解いたしました!
では、この“売上の公式”を、客数・客単価とわけて考えて、更に分解すると以下の図のようになります。
まずは、客数です。今回は(自店)入店数×買上率と分解しています。入店数が伸るか、買上率が上げれば、客数は上がる!ということになりますね。
この考え方は実店舗だけでなく、ECでも活用できます。ECではセッション数×CVR=売上となります。
CVRって何のことですか?
CVRとは、コンバージョンレートを略した言葉です。コンバージョンレートとは、端折って言えば、実店舗でいう購買率・買上率と同じ意味だと捉えてください。
因みに、Tさんのショップには、入店数を測定できる計器を導入していますか?
入店数を測定できるツールは、私が部長になったときに会社に交渉して導入して頂きました!客数アップの目標を達成するには重要だと思いました。
流石Dさんです。
ショップの入店数を測定できるツールがあるということは、具体的に入店数をアップさせる目標設定が可能だということになりますね。
では、ここで少しお話を変えます。今回の講義では(買上)客数の分解を、入店数×買上率(購買率)で行いましたが、客数を分解する場合、必ずしもこの分解でなければいけないというわけではありません。
私が良く足を運ぶラーメン屋ですと、以下のような考え方をしたりもします。
(座席数×1時間辺りの回転率)×営業時間=(1日あたりの)客数
例えば、席数10席のラーメン屋があるとします。このラーメン屋の1時間あたりの回転率が4だとすると、
60分(1時間)÷4(1時間辺りの回転率)=15分(滞在時間)
というように、お客様は15分でラーメン食べ、席を後にするということになります。言い換えれば回転率を上げる→お客様の滞在時間を短くする工夫をすれば、客数が上がる可能性が高まる!ということになりますね。
上記のラーメン屋が6時間営業だとすると、
(10(座席数)×4(1時間辺りの回転率))×6(営業時間)=240(1日の客数)
となるわけです。
この講義の主旨とだいぶ離れている気がするのですが、、とても勉強になります。
もう少しラーメン屋の話をさせて頂くと、回転率を上げる→客数を上げるためには、美味しいラーメンを、お客様が満足いく価格で提供するというのはもちろんのこと、
- 早くお客様にラーメンを提供できるオペレーションを考える
- スタッフが作業しやすい、作業スペースの配置
- (ある意味)居心地の良さを感じさせない座席配置・椅子
- 食後の一服をさせないため、全席禁煙にする
- ショップの出入りを円滑にさせるために、店外に券売機を設置
など、上記のような目標・施策を考えます。
客数を分解し、数字化することで、回転率を上げる→客数を上げる目標や施策が具体的になるということですね。
承知しました。回転率を上げる→客数を上げることを、具体的に考える。目標設定をすることは、ショップの客数をアップさせる目標設定にも繋がりますね。
でもせんせがラーメン屋の話を長々としたせいで、字数制限がきてしまいました。ということで、次回は客数を上げるために、具体的にどのような目標設定を行ったらよいのかを、皆で考えていきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp