(第2項)目標設定・管理の重要性
5.売上の公式とは?⑧
今回の講義で、「売上の公式とは?」最後となります。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
では、ここでTさんに質問です。
私の本業はマーチャンダイジングアドバイザーですが、マーチャンダイザーが売上・粗利・在庫回転以外に、重視すべき指標は何でしょう?答えは売上の公式、売上=(買上)客数×客単価の中にあります。
(買上)客数ですか?
正解です!ではなぜ、答えが(買上)客数だと思ったのですか?
すいません。ただの勘です。
では、私が答えます。
(買上)客数の増減は、ブランド・ショップのファンやその支持度を表すバロメーターとしても捉えられるからです。
正解です!そもそもDさんは私のMD講義を受講していますからね。
店長であるTさんは、(買上)客数の増減イコール(=)ファンの増減であるということを理解してください。
仮にTさんのショップの客数が低下した際、低下の要因が入店数の低下ではなく買上率の低下だった場合、ショップの接客等に問題があるかもしれませんが、商品や商品の品揃えに問題がある可能性が高いとも捉えることが出来ます。そのときは本部・MDに遠慮なく意見具申をしてください!
承知致しました。遠慮なくMDや本部、ときにはDさんに意見具申をします!
心得ました。
Tさん、遠慮なく言ってください。私は、ショップの仕事に従事するスタッフが、常に風通しがよく働きやすい現場になるよう、引き続き精進致します!
2人とも良い心がけです。
では、講義のまとめに入ります。
ショップの売上の増減は、売上=(買上)客数×客単価の公式に当てはめると、6つパターンがあります。以下の図をご覧ください。
売上の増加は3パターン。売上の低下も3パターンとなりますね。
では、この6パターンをMD的視点で解説したのが、以下の図となります。
Tさんをはじめ、店長の仕事に従事されている皆様方は、このことを参考にしていただき、日々の仕事。そして、目標設定・管理に役立てていただきたいと存じます。
はい。しっかりと学んだことを活用できるように、日々努力いたします!
最後に、売上の公式を活用した目標設定におけるポイントをお話します。
- 抽象的な目標を掲げるのではなく、目標設定における5つの要素を活用した目標設定を行おう
- ショップの目標設定において5つの法則が満たせるのは、売上の公式を活用すること。売上を分解することで、ショップの業務で売上を伸ばすことが出来る業務を具体的に目標設定すること
- 目先の売上を伸ばすことに注力するのではなく、コンセプトを体現しショップのファンを増やすことが重要だと理解しよう
この3つを意識して、目標設定を行うことをオススメします。
はい。肝に銘じておきます。
次のお話は、設定した目標を管理する上で重要な「PDCA」の話になるのですが、その前にショップの業務における“付加価値”とは何か?を、皆で話し合いたいと思います。
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp