算数で極める達人MDへの道《第2講》㉝(佐藤正臣)

2022/05/11 06:00 更新


商品の投入アイテム・SKU数の設定をしてみよう⑦

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:Dさん、前回までの話で、商品の投入アイテム・SKU数を設定が出来ました。


:へい。

ただ、これで決定!とするのではなく、チェックすることが必要とせんせが仰っていました(''◇'')ゞ。


:そうなのです。

今回、私がDさんに伝えた方法というのは、このシリーズの冒頭でもお話したように、絶対の方法ではなく、あくまでベターな手段でしかありません。今回詳しくお話することはありませんが、よくよく考えれば辻褄が合わない部分もあります。ですので、チェックが必要となる!ということになります。


:なるほどです(>_<)。

では、せんせ。説明をお願いしますm(__)m。


:(いつの間にか、Dさんに仕切られている…。)

Dさんの組織の今回のカットソーの春物商品の売上予算は、9,790万円です(この連載の“来期はどんな商品が売れるのか?売りたいのか?”で確認してください)。

では、質問です。Dさんの組織のカットソーの春物商品の1点単価(売上金額÷売上点数)は、どのくらいかわかりますか?


:へい。すぐに調べてみます(''◇'')ゞ。


………………(調査中)………………


大体、8,000円くらいですね。


:ありがとうございます。

ということは、

→9,790万円(春物カットソーの売上予算)÷8,000円(1点単価)=12,238点

Dさんの組織では、約12,000点の春物商品が売れる。言い換えれば、必要ということになります。


:お~~なるほどです。


:今回のDさんの組織のカットソーの春物商品投入アイテム数が36アイテムでしたから、1アイテム当たりの必要数量は、1アイテム約340点となります。更に、Dさんの組織のカットソーの春物商品の1アイテムあたりのSKU数は3でしたから、

→340点(1アイテムあたりの平均必要数量)÷3(1アイテムあたりのSKU数)=約113点

となります。


:(こいつ、マジで、すげえ( 一一))


:もっと突き詰めて考えると、Dさんの組織の展開店舗数は10店舗でしたから、

→113点÷10店舗=11.3点

となり、1店舗に1SKUあたり約11.3点が、商品投入可能!ということになります。


:せんせ。ブラボーです!

ですが、私の店舗のイメージだと、1店舗に1SKU11点も商品投入されている気がしないし、現状、商品アイテム数が多すぎて、1店舗に1SKUあたりの数量が大して行き渡っていないとしても、何か違和感を覚えるのですが…。


:流石Dさんです。そこが狙いなのです。

今回のケースで言うと、売上予算等の数字の設定は、Dさんの組織の実情に近い数字を使っているのですが、標準店舗の内装モデルは、私が手を抜いたハンガーラックしかないモデルを使っていますから、数字に違和感を覚えるのは当り前でしょう(笑)


:そうか!

この間、せんせに教えてもらい、私の事業部の標準店を設定したのですが、カットソーは、たたみでも展開していますし、商品ももっと展開できます。

ということは、実際の標準店でこのことを行うと、もっと1アイテムあたりの平均数量が減り、私の店の実情に近くなるということですね。


:はい。その通りです。

ですが、実際のDさんの組織の標準店舗でこのことを行っても、違和感を覚える数字が出てくると思います。実際、レディースの場合は特にですが、カットソーの春物商品と言っても、その厚みや着丈がだいぶ変わってきますから、今回のケースのように、1アイテムあたりの平均数量等を算出し、調整することが必要となってくると思います。


:なるほどです。

せんせ、もう一つ質問があるのですが、調整する場合は、どの数字を調整すれば良いのですか?


:Dさん。良い質問です。

ですが…、今回もここで字数制限が来てしまいました。ということで続きは次回でお願いしますm(__)m。


:(@ ̄□ ̄@;)!

ということで!皆様。次回をお楽しみに~(@^^)/~~~

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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