我が社は23年に創業40周年を迎えます。当初は街の小さなアメリカンカジュアル専門店から出発しましたが、SCの誕生で商店街の疲弊が進み、郊外店の出店を考えるようになりました。そして、設計士とアメリカ西海岸をリサーチしました。
アパレルのいろいろな形態のお店、イタリアンレストラン、アンティークショップなど、おしゃれでアートな建物や内装をくまなく見て回りました。ある日、ロサンゼルスのラ・ブレア通りにある古着屋さんに出会いました。古着と新鮮なトレンド商品が混在し、おしゃれですばらしい商品もさることながら、店全体が吹き抜けの高い天井で、何とも言えない空気感にカルチャーショックを受けました。
この空間から醸し出されるアート感を表現しようと思い立ち、工場(ファクトリー)のような店作りに至りました。今、新しい店の形態は、天井高13メートルの大きい黒い立方体の建物です。そして、店内の壁およびロフトには巨大なアート作品を展示しています。
ご来店頂いたお客様が、単に物を買うだけでなくアートのある売り場で、秘めた感性を呼び起こし、心豊かで幸せな気持ちになってくれることを目指しています。出店の度にコレクションの数は増え、街の美術館のようにもなりました。現代アートは当社のコミュニケーション・デバイスであり、企業メセナでもあります。
(インターナカツ社長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。