【新型コロナウイルス情報】中国の繊維関連企業 2月末で8割が再稼働

2020/03/10 06:29 更新


 【上海支局】新型コロナウイルス感染拡大の影響により春節(中華圏の旧正月)休み明けも操業停止する企業が相次いでいたが、中国の各業界団体の調べによると、繊維関連企業も各段階で再稼働した企業が80%となっており、徐々に事業を再開している。中国綿紡織業協会が2月14日~3月2日に綿紡企業1880社に対して行った調査によると、再稼働した工場が80%だった。大手企業の3月の受注状況は通常の70%程度にまで回復している。なかでも山東省、江蘇省、浙江省の大手企業は80%程度にまで回復している。輸出については50~80%の回復状況で、国内需要の戻りに比べると遅い。

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 中国印染業協会によると、2月末時点で回答のあった127社のうち87.4%の企業が生産を再開していた。回答企業の85.1%が山東省、浙江省、江蘇省、福建省、広東省など沿海部の企業だった。山東省は従業員の地元比率が高いため従業員の復職率も高かった。再稼働率は企業の規模が大きいほど高く、大・中型企業では90%以上となっている。

 アンケートとは別にネットや電話を通じて調査した重点企業180社の2月末時点での再稼働は168社、従業員の復職率は56.9%で、平均の稼働率は70%前後となっている。代表的な染色産地である紹興市柯橋地区の108社のうち81社が2月25日までに再稼働し、2月末までにほぼ全社が再稼働、生産能力は80%以上にまで回復する見通しとなっている。

 中国服装協会が2月27、28日に実施した調査によれば、80.8%の企業が再稼働している。ただ、労働力不足、原材料不足、受注減、物流寸断などの問題に直面している。他と同様に大企業の再稼働率が94.0%と、企業の規模が大きいほど再稼働率は高い。中企業では77.9%、小企業は68.9%だった。企業類型別では製造企業が80.9%、ブランド企業80.6%で、ほぼ同じだった。

 現在、直面している問題では「従業員不足」55.6%が最も多く、「原材料不足とコスト上昇」35.7%、「販売停滞、在庫拡大、流動資金不足」26.6%となっている。従業員不足は前回調査より改善されているが、他は悪化している。

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