大西衣料 商品自動補充のラックジョバー事業を強化 商品開発や市場分析など

2023/08/17 06:25 更新


導入店の販売データによる的確な商品構成の提供で衣料ロス削減にもつなげる

 総合卸の大西衣料(大阪市)は商品自動補充システムのラックジョバー事業で、仕入れ商品、開発商品とともに、市場分析や消費者アンケートに注力し、そこから得た商品企画、商品構成を強化している。全国1000店を超える導入店の毎日のPOS(販売時点情報管理)データをもとに販売・在庫情報をリアルタイムに収集・分析し、週単位で在庫量をコントロールしているが、さらに季節・生活催事などのライフサイクル、市場動向や消費者ニーズに合わせて適時・適量な品揃えを提案する。

(小田茂)

 ラックジョバー事業は売り台管理とも呼ばれ、衣料品小売店をはじめドラッグストアやホームセンター、スーパーマーケットなどの衣料品売り場への商品供給、商品構成の提案、売り場レイアウト提案、運営アドバイス、販促計画、販促チラシ作成、売り場演出(VP)と総合的な運営支援を行っている。店舗側の業務は品出し対応のみで、在庫確認や発注を行う必要がなく自動的に商品が納品される。専任バイヤーが不在でも自動で品揃えが実現でき、季節商品の構成比率が高い鮮度ある売り場を保ちながら、返品入れ替え制で在庫リスクがない。オリジナル商品には紳士アウター「エスカバリー」、婦人アウター「エバーポイント」などがある。

 同社では卸売業で培った仕入れノウハウと全国導入店の販売データを活用し、的確な商品構成を提供することで、社会課題である衣料ロスの削減にも貢献している。コロナ禍が収束に向かいつつある中、小売業の新規出店、改装意欲の高まりに伴い、限りある売り場の利活用に対するニーズは増えている。

 しかし「売り場スペースが余っている」「商品を仕入れる人材や時間が足りない」「値札付けやハンガー掛けなどの売り場作業を減らしたい」「季節物や商品の入れ替えをスムーズにしたい」など人手不足や在庫ロスなど従来の課題は残っている。流通の各段階で無駄な在庫を抑止し、導入店ではシーズン商品の入れ替え返品によりロスが出ない衣料品販売を実現する。

婦人・紳士のアウターや肌着、靴下、エプロンなどを扱う


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