合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)がきょう東京・恵比寿のエビス303で開幕する。今回、新たにサステイナビリティー(持続可能性)やエシカル(倫理的)な製品に特化した「エディトリアル・サスティナブルプロダクツ」のゾーンや、ファッション性のある新興ランジェリーブランドが新しいうねりを起こそうと集まり立ち上げたエリア「ランジェリスト」が加わる。出展者数は前回と同規模の84社100ブランドで、うち7割が初出展だ。全体にサステイナブルを意識した提案が目立つほか、熟練の職人による一点物の打ち出しも多い。(カッコ内はブース番号)
注目のエディトリアル・サスティナブルプロダクツゾーンには、12ブランドが並ぶ。従来の上質なファッション展という軸を守りながら、サステイナブルなアパレル、シューズ、バッグ、アクセサリーの最終製品にこだわった。新設ゾーン以外でもサステイナブルの打ち出しが多く、一般社団法人オーガニックフォーラムジャパンの協力も得て、ライフスタイル雑貨やビューティー&コスメ、フード、食雑貨や生活雑貨も加わって見応えがある。
みんな心地良く
シューズ「スゴィヌ」(H-04)は、「気分も地球も心地よく」をコンセプトに「ウキウキ気分で、でかけよう!」をキャッチコピーにして、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)を意識してシューズを開発した。アッパーにペットボトルの再生繊維、ソールに有害物質を発生せずリサイクル可能な素材を使用。加えて、かかとやつま先、インソールに工夫をして疲れにくい履き心地を実現し、足とデザインで地球を感じられるシューズを最大コマで披露している。
「コンブ、マテーモノ」(H-03)は、ファブリックメーカーの小松マテーレが手掛けるバッグのブランド。昆布のような硬さで、ドライ感としなやかさを併せ持った高機能の加工素材「KONBU」を使い、ブランド名にしたのがコンブ。マテーモノは製造過程で出る端切れなど廃棄材をアップサイクルして作る円柱型バッグ。染色も玉ネギの皮などの廃棄素材を染料の一部に使用した「オニベジ」を採用している。同社は独自の「サステナビリティ・ビジョン」を策定して環境問題に取り組んでおり、素材や染色技術の蓄積、知見を最終製品に生かしてサステイナブルな新商品の開発に挑んでいる。
「ランゴリー」(H-06)はオフィス複合機などのリコーが社内起業制度で19年に立ち上げたエスニックウェア。ビジョンに掲げるのは「一人ひとりが可能性を最大限に発揮する社会をつくる」。商品はインドで古くから災いを遠ざけるとされるクジャクや、永遠の幸せが訪れるとされる花唐草柄をあしらったクロスバックブラ、ロングスリーブヨガトップ、ワンピース、サリーブラなどコンフォタブルなアイテムが主体だ。今後は小物などを加えてアイテムを広げていく。同時に、生産についてもコロナ禍の収束後は現地NGO(非政府組織)の協力も得て移行していき、インド農村地帯に暮らす女性たちの雇用創出、地位向上につなげていく。
このほか、スウェーデンのサステイナブルブランドで15年を超える実績があり、昨年から日本で販売が始まった「デディケイテッド」(H-10)のオーガニックコットンのカットソーアイテムとトートバッグ。生地やハンドルなどをアップサイクルによって作り、修理対応のシリアルナンバーを付けた一点物の捨てない傘を提案する「プラスリング」(H-01)。オランダ発のMUD Jeans、イタリア創業の靴Womsh、英国のアパレルSilverstickなどを披露する「エシカル・ジャパン」(H-09)が注目だ。
見逃せない食雑貨
ライフスタイル雑貨、ビューティー&コスメ、香水、クリエイター系グッズ、食雑貨を集積する「エディトリアル」ゾーンも見逃せない。ビューティー&コスメ、香水では、自己を解放する香りをテーマにする日本発のフレグランス「アブラクサス」(F-20)、韓国と中国発の複数のアジアコスメブランドを披露する「絹工房」(H-41)、ライフスタイルに溶け込む除菌エチケットの浸透を目指す携帯用消毒スプレーの「ヤシオリ」(F-19)など。
食雑貨ではフードマスターの菱江隆シェフと共同で無添加食品を提案する食のブランドでドレッシングやマヨネーズの「ワンフーズトウキョウ」(F-08)、焙煎(ばいせん)士でありバリスタの向山岳氏の監修によるコーヒー器具やオリジナルグッズの「コフィリティ」(F-06)などが初出展している。
瀬戸内海のレモンを使う「アケミレモン」(F-09-1)、老舗クリーニング店と共同開発した環境配慮の衣服用洗剤「海をまもる洗剤」(F-09-2)、「スローコーヒー」(F-09-4)などがオーガニックでサステイナブルな提案で加わっている。