ポストコロナの物作りはどうなるか――「材料から製品まで地産地消の分散型ネットワークが実現する」(田中浩也慶応大教授・ソーシャルファブリケーションラボ代表)、「サステイナビリティー(持続可能性)に関する問題がアップデートされ、産業の形を変えていく」(水野大二郎京都工芸繊維大デザインラボ特任教授)。このほど開かれたオンラインイベントで、物作りに関わる学識者らがディスカッションした。
(中村恵生)
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主催したのは、3Dプリンターなどデジタル機器を備えたシェア工房のファブカフェ。東京、京都の両拠点をつないで開く予定だったが、新型コロナウイルス感染症への対応で急きょオンライン形式に変えた。テーマは「これまでのファブ、これからのファブ」だったが、その枠にとどまらず、足元の状況も踏まえた示唆的な討議がされた。
田中氏 「地産地消の分散型に」
田中氏は、シェア工房の世界的なネットワークである「ファブラボ」を11年に日本で初めて開設した。ファブが追求してきたものは①大企業でなくても個人や少人数のチームが物を作れる場の提供②モノと情報をどう流通させるかという実験。
この2点があるとし、「今のような有事には、②はファブがネットワークされていないと機能しない」と指摘した。
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