繊研新聞を読むべき理由①

2018/07/01 00:00 更新


 繊研新聞は、電子版も発行していますが、現在も紙媒体のニュースを月~金曜の週5日発行しています。これほどの頻度でニュースを発行するファッションの業界紙は珍しいのですが、いったい、週5日もどんな内容を掲載しているのか、ここで繊研新聞に載った、いくつかの記事と、そのニュースを取り上げた理由についてお伝えしたいと思います。

 最近、紙面をにぎわすことが多いのはECで成長著しいファッションブランドや小売業のニュースです。

 こちらは今年5月23日に掲載した記事です。繊研新聞の一部ニュースを無料で公開しているウェブサイト、「繊研Plus」でも公開しています。

▼記事はこちら▼

「アメリ・ヴィンテージ」 今春売れ行き加速 EC3倍、今期18億円に

 ビーストーン(東京)のEC発レディスブランド「アメリ・ヴィンテージ」の人気が急上昇中だ。服を見る目の肥えた30代を取り込み、今春物の販売が大きく伸びた。18年7月期売上高は約18億円、前期比倍増で着地しそうだ。
 同ブランドは、ベーシックなデザインに一ひねり加えたおしゃれ感と品質で、多彩なファッションを体験してきた30~40代に注目されている。今春物はヒット商品が多く、バックプリーツトレンチコート、アシンメトリーステッチスカートなどは予約・実販売を合わせ、計画比で2倍以上になったという。
 人気の理由は、品質や価格、デザイン、スタイリング、SNS発信で「驚きやギャップを生み出していること」と黒石奈央子CEO(最高経営責任者)兼ブランドディレクター。SNSに多くのフォロワーがいるだけでなく、品質の満足度、買いやすい価格で〝驚き〟を与える。ネットで安心して買えるよう、全商品のデザインやスタイリングをSNSで大切に伝える。フリーサイズ中心だが、サイトでは身長の異なるスタッフの着用画像を掲載、似合うか否かの迷いを解消する。
 現在の商品数は月約40~50型。今期の売り上げは約16億~18億円と倍増し、販路ではECが約3倍になった。中心価格は1万円台前半~2万円台後半。
 ブランドは14年からスタートし、現在ECが売り上げの7割。直営店は代官山とルミネ新宿ルミネ2の2店。立地は慎重に精査し、来年、都市部に1出店を計画している。
直営ECサイトでは、身長の異なるスタッフのスタイリング画像で購入者の迷いを解消

 この企業について繊研新聞が取材をしたのは、今から2年前の16年6月のことです。

繊研新聞2016年6月22日付けから

 凝ったデザインの服を買いやすい価格で提供し、直営店もあるが、売り上げの過半はECで。この記事で取り上げた企業の場合、ブランドの顔でもある代表者にSNSのフォロワーが多くいることに加え、ブランドとしてインスタグラムのライブ配信機能を使って商品紹介を行うようになったことが売り上げの伸びにつながったようです。

 ネットで情報が伝わることを前提に、デザインや特徴をソーシャルメディアで伝え、ファンを作り、顧客を獲得する。これは、新たにビジネスを始めるファッションブランドや小売りに増えている、今どきの手法と言えます。

 では、ECも行ってはいるが、実店舗での販売が商売の主力になっている、大手の小売店はどんな形で、ソーシャルメディアを使い、消費者の支持を得ようとしているのでしょう。

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リアルとネットの垣根をなくし、客に伝える

 たとえば、老舗のセレクトショップ、ビームスはこんなアプローチをしています。

繊研新聞2018年6月22日から

 リアルの現場をネットの世界と分断して戦略を考えるのではなく、両者の垣根をなくし、店頭でもウェブサイトでも販売員が直接、お客さんにアプローチできる最適の仕組みを整備する。これが実店舗の商売からスタートしたファッション小売りが、いまやろうとしていることのようです。

店頭に立つ販売員の思いがネットでそのまま伝わる仕組み作りにビームスは力を注いでいる

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 いかがでしたか。

 ここで取り上げた記事は、最近、繊研新聞が掲載した、デジタル化と向き合うファッション企業の取り組みについてのニュースの、ほんの一部です。

 何を基準に選ぶか、どうやって欲しい商品を見つけ、どこで、いつ買うのか。時代ごとに変わるファッションの消費の様相と、それを捉えるための企業やブランドの動きを繊研新聞は日々、追いかけています。

 まだ、繊研新聞をお読みでない方は、この機会に是非!

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