【24年春の採用はどうなった?】マッシュホールディングス 事業拡大に伴い多彩な人材を

2023/11/16 00:00 更新


人事部部長の秋山輝之さん(左)と人材開発課主任の後藤優実さん

 ファッション業界に限らず、就職戦線は超売り手市場となっている。その中で、自社や業界の魅力、やりがいを伝え、採用活動に各社が奮闘している。企業の事業構築や将来に欠かせない人材確保に向けて、採用担当の方に現状や今の学生の特徴などを聞いた。

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25年春は説明会を増やす 男性からの応募も増へ

 マッシュホールディングスは、アフターコロナの実店舗の重要性を考え、24年卒採用は例年の約2倍の195人を採用した。ビューティーや飲食、海外、ライセンスなどファッション以外にも多岐にわたって事業拡大を続けているため、中長期的に新卒採用人数を増やす方針だ。執行役員CHRO(最高人事責任者)兼管理本部人事部部長の秋山輝之さんと管理本部人事部人材開発課主任の後藤優実さんに聞いた。

例年の2倍採用

 ――24年卒の採用人数を増やした。

 秋山 200人規模の採用は初めてで、当社にとって大きなチャレンジでした。売り手市場が続く中、高い目標人数を達成することができたのは、当社のブランドが好きな学生さんが多いおかげだと考えています。

 後藤 23年3月から説明会を開始し、7~9月に選考・内定を出しました。他社に比べてスケジュールが遅かったのですが、当社の選考を待っていてくれた方と出会うことができました。25年卒採用からはより多くの学生と出会うため、他社と選考の足並みを揃えたいと考えています。

異業種と併願増加

 ――就活生の特徴は。

 後藤 ファッションが大好きな方はもちろん多いですが、異業種と併願する方も増えてきています。キャリアプランを具体的にイメージし、特定の職種を目指している方も多い。サステイナビリティー(持続可能性)の取り組みに魅力を感じてくれている方もいます。

 秋山 ブランドディレクターなど、先輩社員に憧れて応募してくれる方も多いです。ウェブの採用ページでは社員インタビューの掲載に最も力を入れています。役員や管理職として活躍する女性が多く、育児休業取得率や産休後の復帰率も100%ですが、こうした数字で伝えるだけでなく、ロールモデルとなる人が実際に働いていることが当社の強みです。

 ――25年卒の採用計画は。

 秋山 昨年よりも多い250人の採用を予定しています。選考スケジュールも見直し、11月からインターンを開始、12月ごろから夏まで選考を行う予定です。幅広い方に受けてもらいたい。今までは女性からの応募が多かったですが、男性からも増えてほしいですね。

 後藤 昨年度は大規模会場で説明会を行ってきましたが、今年はオンラインとリアル同時開催で小規模に変えることで、回数を増やしたいです。多くの方に参加してもらい、会社への理解を深めてほしい。一対一での学生さんと話す機会も設けたいです。

本社研修でのグループディスカッション

未来感じてもらう

 ――内定後のサポートも。

 秋山 販売職のやりがいや企業理念、当社の物作りなどについて知るプログラムを充実させたい。「ジェラートピケ」や「スナイデル」から当社を知ってくれる方も多いですが、一つの側面だけは説明できないほど事業が拡大しています。販売職の先にあるキャリアパスを見せることで、企業の未来を感じてもらい、入社後のモチベーションを上げてもらいたいです。

 後藤 入社までの期間には、内定者アルバイトも実施しています。任意にもかかわらず約8割が参加してくれるほど、意欲的な方が多いです。今後は展示会やイベントに参加してもらう機会も作っていきたいと考えています。

 ――マッシュで働く魅力は。

 秋山 販売の仕事にやりがいがあるだけでなく、年間20~30人が店舗から本社に異動しています。これほどチャンスが多いのは、プレスやVMDなどの職種に、販売現場の経験者を起用したいという強い思いからです。ファッションだけでなく、ビューティーや飲食業態にも挑戦できる。働き方の多様さを学生にも知ってもらうため、情報発信やコミュニケーションに力を入れていきたいです。

(繊研新聞本紙23年11月16日付)

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