地域に根差し特色ある顧客基盤を持つ専門店が、長引く残暑や暖冬といった気候や購買動向の変化に対応しようとMDの見直しに踏み切っている。繊研新聞が全国の専門店に調査したところ、店舗数が10以下の回答企業14社のうち11社が「見直した(今後見直す)」と答えた。経営判断に小回りが利く利点を生かし、気候の変化が顕著だった23年よりも前から取り組んでいる企業も多い。気候の変化が常態化しているという判断のほか、コロナ禍と以降の快適なファッション需要の高まりもきっかけになった。MD見直しの実施時期を「23~24年秋冬物以前」と回答した企業は、カワノ(東京)、たまや(三重県四日市市)、マトッティ(神戸市)など。たまやは「カテゴリーを絞り込んだ商品構成に変えた」と回答した。店頭と本部の距離の近さもあり、需要や消費行動の変化を素早く拾った。
カワノ
「夜の雰囲気」を抑えて 着心地の良さを求める需要に応える
メンズ主力のセレクトショップ「カワノ」を運営するカワノ(川野勝広社長)は、トレンドと独自のテイストを絶妙に取り入れた品揃えを強化し、ファン層を広げた。東京・歌舞伎町の「夜の街」で働く男性たちへの提案を得意とするが、コロナ禍や気候の変化による需要の移り変わりをとらえ、「夜」の雰囲気を抑制した。
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