スプロケットは提供するウェブ接客プラットフォーム「スプロケット」で、顧客体験やLTV(顧客生涯価値)を意識したシナリオが、ウェブ接客の効果を上げている。ECでの購入が増えるなか、ブランドの理念や人間味のあるウェブ接客が求められる傾向が強まっている。
成功シナリオは「購買に響くタイミングやメニューがこれまでと違ってきた」と深田浩嗣社長。ランジェリーブランド「シュット!インティメイツ」では、サイト訪問者のクラスター分析を行い、ブランド理念の説明や商品の選び方を経由した方が、再訪率や購入率が高いことが分かった。そこで初めてのサイト訪問者にもブランドの世界を伝えるコンテンツをウェブ接客でお薦めし、売り上げを伸ばしている。ボトムブランド「ジョンブル」ではスタッフ同士の普段のやり取りや、たどたどしさなど「素」を出した商品紹介動画の方が、人間味が出て購買率が上がった。
二つのブランドのほかにも、迷っているサイト訪問者をウェブ接客でチャットに案内して利用率を上げ、効果を上げた例もある。サイト訪問者の状況や購買プロセスの段階に応じて、複数のシナリオを組み合わせて自然に誘導し、リアル店と同様な接客を実現する。
この1年で収集できるデータが多様化し増加したことも、効果を高めることにつながっている。サイト内のアクセスログに加え、ECの購買履歴、年齢や性別などの会員属性、店舗の来店や販売データなどのサイト外データを取り込み活用する。一方で細かなデータをたくさん収集できても、有効なシナリオ、施策に落とし込むことは難しい。同社は運用代行まで提供し気付きやヒントなどノウハウを蓄積しており、サポートにも力を入れる。今後も「ブランドと顧客の良好で継続的な関係性をどう作るのか。接客を通した顧客体験を良くするシナリオやツールを提供する」(深田社長)という。