住商アーバン開発代表取締役社長 羽鳥貴弘さん 街に必要な「地域メイド」の施設を

2023/11/08 12:30 更新有料会員限定


羽鳥貴弘さん

 99年に開業したセルバ(仙台市)の開発から商業施設事業に携わり、20年春に社長に就任した。コロナ禍でスタートした5カ年経営計画は来期(24年度)が最終年度になる。柱はコアとなるPM(運営)事業、PMをベースにした派生ビジネス、新規ビジネスの3本だ。「共有」をキーワードに社員や住商グループとの情報化と連携を強めることで、「一枚岩」となって23年3月期には純利益で66億円を超える最高益を達成した。さらに収益を高めるために「3本目の柱」として、投資開発ビジネスに挑戦する。住友商事との協業案件からスタートした。このほかにも様々な角度からの新規事業を模索している。

19年度比3%増、地域密着型が底上げ

 ――今期4~9月上半期の状況は。

 コロナ前の19年度と比較して3%増でした。施設運営管理スタッフが常駐している施設は20カ所近くありますが、そのうちの半分の施設が19年度比を上回りました。月によって凸凹はありますが、おおむね回復基調になっています。背景には、「売り上げをコロナ前に戻す」ことに全社挙げて取り組んできたことが最大の要因です。加えて、地域密着型の施設が多いので日常ニーズに伴う食品や生活関連商品などの業種構成から、それほど売り上げを落とすことも少なく、都心型の施設では、国内外からの旅行客を含めた人流の戻りがあり、堅調に底上げを図ることが出来ました。

 また、コロナ前から複数の施設で実施したリニューアル効果が反映されてきました。なかでもテラスモール湘南はこの間、複数の大型売り場の入れ替えがあり、約6600平方メートル近くの売り場の休業もあって上半期売上高は4%減にとどまりましたが、それでも改装区画がオープンするに伴って売り上げは急回復傾向です。業種ではアパレルファッション関係の売り上げの戻りがまだ鈍く、それ以外の食関連や生活関連雑貨、映画館などが順調に伸び、全体の押し上げ効果になっています。

 ――今後を予測すると。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定パーソン



この記事に関連する記事