背中を見失わないように(若狭純子)

2014/08/11 00:00 更新


こんにちは。残暑お伺い申し上げます、と言いたいところですが、まだまだ猛暑ですね。

さて、前回お知らせさせていただきました7月24日のセミナーは、無事、終えることができました。拙い話を聞きに来てくださった皆様、ありがとうございます。次の企画も検討しておりますので、その際はまた、よろしくお願いいたします。

そのセミナーのテーマとも重なるのですが、先週から繊研新聞の1面で、「FBの女性リーダーたち・第3部」の掲載が始まりました。第1回目が高島屋の肥塚代表取締役専務で、そこから続く連載です。もうお読みいただけましたでしょうか?素敵な方々が登場しますので、ご高覧いただけましたら、幸いです。

今日は、女性のリーダーにまつわるお話をしたいと思います。

女性の登用については、政府の成長戦略という追い風が吹き、かなりの盛り上がりです。本音では消極的な企業でも、今、着手しない訳にはいかない、という雰囲気になってきました。

一方で、もっと広い意味で、リーダーを問う議論も活発です。ざっくり言えば、これまでリーダーの条件とされていた、強力なトップダウンを実行し、万人の先頭を走るような、剛腕な印象は薄らいでいるようです。

むしろ、今、重要とされるのが、現場の話をよく聞きながら素早く問題解決できる能力であり、多様な声を引き出せる共感力やバランス感覚といったところでしょうか。

一般的に、女性は後者の能力に優れると言われています。協調性や包容力に富み、フラットな組織に向いているのかも知れません。こうしたことが、最近、女性のリーダーが増加する伏線になっているように思います。

上記のようなリーダー論で意見を交わしている時、ある女性執行役員が、こう言いました。

「今は、あんまり先を走っちゃうと、皆が背中を見失っちゃうんだと思うんですよ。せいぜい、ちょっと先か、本当なら、すぐ隣くらいを一緒に歩くのがいいんでしょうね」。

非常に、的確な言葉だと感じました。

もちろん、隣にいるだけの人がリーダーだと困る訳ですが、皆の進むべき遠くを見通しながら、走る時は飛ばし過ぎず、少し前くらいを行ってくれるなら、安心感がありますよね。迷いや雑音が多い時代だからこそ、チームへの目配りが必要ということかなと思います。

こうした気配りやバランス感覚は、多様な価値観を認め合うには、欠かせないもの。女性が注目されるのは、多様性の象徴であり、その時代の入り口と思われます。これから、ますます異なる個性が花開き、リーダー像も変わってくることでしょう。



わかさ すみこ:総合1面デスク。92年入社、東京営業部配属。95年から大阪編集部、テキスタイルトレンドなどを担当し、2010年から商品面デスクとともにファッショングッズ分野などを受け持つ。北海道出身。これから、デスクのひとりごと的レポートを始めますので、よろしくお願いいたします。



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