スーツケースを中心とする企画・デザイン・製造のティーアンドエス(埼玉県越谷市)は、「軽さ」「静けさ」を特長にした2商品を開発した。
軽さは「PCファイバー」(商標登録済み)。ハードのスーツケースに通常用いられているPC(ポリカーボネート)にファイバー(繊維)を融合させた新素材で、ソフトケースの軽さとハードケースの強さを掛け合わせた。できるだけ軽くしたいが、強さもそのまま保ちたいと発案し、2年かけて開発。重量はPC2.8キロと同等のものが1.93キロと約3割軽量化。ハードケースの場合、衝撃を受けると割れてしまうが、PCファイバーは一瞬曲がっても復元するという。
繊維は伸びると破れやすく、それを防止するのに苦労した。難点は、金型が複雑になるなどでコストがかかること。展示会で専門店などに披露したが、価格など詳細をつめた上で11月に発売する。
静けさは「Wクッション消音キャスター」だ。クッションを2重にすることで、スーツケースから来る振動と、路面や通路から来る振動をそれぞれ逃がすよう工夫した。実用新案登録済み。従来品はがたがた音がするところでも「すーっと雲の上を進むような静けさ」(斉瑞成社長)という。
「レジェンドウォーカー」のトラベルメーターシリーズに8月から採用。64センチ2万8800円、70センチ3万1800円と価格は据え置く。