整理仕上げ工場、高橋練染(京都高橋聖介社長)の新規事業「KOKORO・care」(ココロ・ケア)が軌道に乗ってきた。
ココロ・ケアは、同社が2年前から取り組んでいる。銀を独自の技術で超微細化し、銀が持つ抗菌、消臭の効果を飛躍的に高めた溶剤「エボリューション・シルバー」を使用する。黄色ブドウ球菌や白癬(はくせん)菌、サルモネラ菌、モラクセラ菌など細菌対象が広く、既存の加工剤よりも効果が高い。一度繊維に加工すると洗濯にも耐え、半永久的に効果は持続する。革や木材以外のほとんどの素材に対応、濃度の変化で幅広い分野に対応できる。
昨年には病院や介護施設で使用するSEKの特定用途向け赤マークを取得。エボリューション・シルバーの効果が裏づけられたことで、メディカル分野やユニフォーム分野などから引き合いが相次いだ。飲食物を扱う工場や店舗、病院、介護施設内でのユニフォーム、介護用品など商品加工が急速に増えている。下着や靴下、マスク、シャツ、寝具寝装などの取り組みも進んでおり、商品によってはOEM(相手先ブランドによる生産)も拡大している。
また濃度調整をしたスプレー式の溶剤も独自に開発した。日常生活で、不特定多数の人が触れる公共施設などで使用する商品も増えている。今後、国内で多様な分野への提案を強めると同時に、現地法人のある中国でも加工ビジネスを本格化させる計画だ。