東急プラザ原宿 クリエイター支援と体験型メディア機能が充実 物販テナントは半分以下

2024/04/23 11:00 更新


3階は会員制ラウンジを軸にしたクリエイターのフロアとした

 東急不動産は4月17日、東京・原宿の明治通り交差点沿いに東急プラザ原宿(ハラカド)を開業した。ファッションを含む様々なカルチャーを発信してきた原宿・神宮前エリアの特性を踏まえ、クリエイターの育成・支援機能や「体験型メディア」を充実し、「商業施設ではなく、創造施設」を目指す。 

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飲食を充実

 地下3階~地上9階、延べ床面積は約1万9900平方メートルで、店舗は地下1階~地上7階、テナントは75店。路面にコスメの「ジョーマローンロンドン」、秋にオープンする「ディオール」を配置、G階にキャラクター雑貨「ワンピース麦わらストア原宿」、2階にアダストリアの「ハレ」やセレクトショップ「デスペラード」、アイウェア「オンデーズ」、帽子「フォーティーセブン」を入れるなどファッション・雑貨店もあるものの、物販テナントは食品を含め、全店の約45%にとどめた。 

 5~6階を新業態を中心に幅広いジャンルの22店が入る飲食フロアとした。横丁のようなフロア作りで、施設全体のコンセプトに沿ってアートも点在させた。

 3階は施設のコンセプトを具現化したフロア「クリエイターズプラットフォーム」とした。クリエイターのための100席を備えた会員制カフェラウンジを軸に、博報堂ケトルのソーシャルクリエイティブ専門スタジオ「スチームスタジオ」やラジオ局のJ-WAVEによるアートギャラリー併設のスタジオ、ラボ、デザイン事務所など17のテナントで構成。スチームスタジオは同施設外を含め、「クリエイターの利用は無料」とした。社会貢献活動を行う店舗も導入した。「ITを活用して子供の未来につながる」活動を行うITクロスが初のリアル店を出店。ITを題材にした絵本や子供が描いた絵をデザインしたTシャツを販売し、子供向けのワークショップも開く。障害者が製作した刺し子の生活雑貨、衣料品「テラス」も初の常設店を出した。売り上げは作り手である障害者に還元される仕組みで、「店舗を作ることで、障害を持つ人たちの支援につなげたい」(運営するトモスカンパニー)という。

3階には障害者支援を行うテラスも出店

銭湯も導入

 「体験型メディア」はAR(拡張現実)を活用した企画などを行う7階屋上テラス、2階の雑誌ライブラリーで、雑誌との協業イベントを行う「カバー」、地下1階の銭湯「小杉湯原宿」と湯上がりゾーンの「チカイチ」。小杉湯は「日本の伝統である銭湯を軸としたライフスタイルを提案する」(黒川泰宏東急不動産執行役員都市事業ユニット渋谷事業本部本部長)狙いで、導入した。インバウンドの取り込みも狙う。チカイチは花王、「アンダーアーマー」、サッポロビールなどと協業した情報発信も行う。

体験型メディアとしてイベントも行う雑誌ライブラリー「カバー」を開設
地下1階には「小杉湯」を入れ、「銭湯を軸としたライフスタイル」を提案

 音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」など様々なクリエイターとの協業施策を行い、「クリエイターの聖地」としてのエリアの発信力を高める。年間来館者数で約1000万人を見込む。



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