《視点》転ばぬ先の杖

2019/11/08 06:23 更新


 最近、結婚式保険を知った。不測の事態で結婚式を中止せざるをえなくなった場合のキャンセル料を補償してくれるらしい。企業によって規定は様々だが、1週間前の解約で、実費とほぼ同額が取られると聞いた。何カ月も前から会場を押さえ、食材やスタッフの時間を確保しているのだから当然だが、数百万円を失う痛みは大きい。

 補償理由で、今一番問い合わせが多いのが台風だそう。最近導入したというある結婚式場も、昨年の被害が契機になったという。

 台風による災害に備えて保険に加入する動きは、スポーツ観戦やコンサートといったイベントでも増えている。興行中止保険が代表的で、中止に伴う経費の多くが補てんされると聞く。ラグビーワールドカップも、中止になった2試合に関わる損失をこれでカバーしたそうだ。

 今年、秋の行楽シーズンに襲来した台風19号は、全国各地の様々なイベントを中止に追い込んだ。「コト消費」の盛り上がりもあり、そのイベントにたくさんの予算を投じていた主催者も多かったはず。年々大きくなる台風のリスクに備え、経済的な損失を防ぐ対策も見直したい。

(侑)



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