COP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)の開催地であるブラジル・ベレンで、新たな熱帯雨林保護基金が立ち上がった。
寄付や供与ではなくリターンを伴う投資という形で官民から広く資金を集める仕組みだ。熱帯雨林を有する国は、その保有面積に応じて資金を受け取り、保全に使うことができる。環境保護に民間の資金を動員する仕組みとして注目が集まる。
10月に来日した欧州委員会のジェシカ・ロズウォール環境担当委員(環境総局大臣クラス)は、「〝自然〟を貸借対照表に載せるべき。環境対策は成長戦略でもある」と語った。グリーンディールと競争力の間に矛盾はない。「グリーンディールは環境対策であると同時に成長戦略でもあり、欧州では経済成長と同時にCO2(二酸化炭素)排出量の削減も達成している」と強調した。
環境対策と経済合理性の両立に向けて世界が具体的な戦略を打ち、動き始めている。日本も遅れてはならない。
(民)
