銀繊維のミツフジが説明会「生体情報で未知解明」

2017/11/16 04:26 更新


 ウェアラブル製品を開発するミツフジ(京都府精華町)はこのほど、都内のショールームで取引関係にある企業を集めて今後の事業方針を説明した=写真。三寺歩社長は「『生体情報で人間の未知を編み解く』という私たちが本来やりたかったことに立ち返る」と強調した。

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 同社は、優れた導電性を持つ銀メッキ繊維「エージーポス」の製造販売とともに、エージーポスを活用した衣服型のウェアラブル製品およびクラウドの開発を加速している。建設現場の作業員や被介護者の健康状態を見守るシステムの提供が、実証実験段階の案件も含めて複数始まっている。

 「製品開発、企業間連携は順調」(三寺社長)としながらも、「様々な案件を抱えていく中で、繊維の品質やソリューションの精度を高めることが第一の目的のようになっていた」と振り返った。

 本来の目的は「人が病気になる、ストレスを抱える、スポーツがうまくなるメカニズムや、感情が動くメカニズムを生体情報で解明すること」。目的の実現に向け、7月に調達した資金を活用して「圧倒的な開発体制を築く」考え。

 その一環で、来年の半ば頃には京都府南丹市にエージーポスの専用工場が完成し、安定した供給体制が整う。同7月には福島県川俣町にウェアラブル製品の一貫生産工場が完成する計画だ。ウェアラブル製品で取得した生体情報で、人体のメカニズムを解析するために必要なアルゴリズムの研究にも力を入れる。「海外では投資が盛んに行われているが、国内ではあまり進んでいない。我々はそこに投資し、解析精度を上げる」という。




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