「リトゥンアフターワーズ」のデザイナーで、教育者として活動する山縣良和さん。主宰する「ここのがっこう」には、ファッションデザイナーになりたいと夢を抱く若者が集まり、未来へと羽ばたく人材を育ててきた。国内外のファッションアワードを受賞するデザイナーも多い。最近は、長崎県の五島列島北部の小値賀(おぢか)諸島でコレクションを発表するなどユニークな活動を始めた。クリエイション、人材育成、産地の物作りを地続きに捉え、創造性を持って物作りする可能性を広げている。
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脈々と伝わる島の特別な空間性に着目
――自身の創作活動を振り返って。
学生時代にロンドンとパリに身を置くなかで、場所性とファッションの関係性を大事な要素と捉えるようになり、帰国後にブランドを立ち上げ、日本において、どういうことが出来るだろうと課題をずっと持ちながらやってきました。特に欧州で学ぶと、「あなた(たち)にとっての価値観や美意識は何ですか」を問われます。まね事していても、全く興味を持たれません。
ほとんどのカルチャーに共通することですが、日本は明治時代以降、欧米の価値観に強く影響を受けた中で歩んでいて、デザイナーやクリエイターは、欧米に対し、自分たちはどういう風にやっていくか、葛藤の中で物作りや表現に取り組んできた歴史があると思います。欧米に倣うか、拮抗する形で日本らしさを考えるか。ファッションに限らず、建築やアートも。
都市の空間性にも、ちぐはく感があります。昔の日本の風景を見るときれいなのに、元来持っていたある種の美的な方向性を失い、カオス状態になって。それが近代から現代にかけての都市空間やファッションと言えるだろうし、カオス的なクリエイティビティーはいろいろなアーティストから生まれている。そういった現象は面白いことだし、僕も多分、その一人なのだと思います。
――小値賀諸島で活動するようになった経緯は。
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