【FBS】ビジネス支える多彩なサポーター

2014/01/23 13:05 更新


■デニム

 ジーンズ洗い加工の豊和(岡山県倉敷市)は、産地企業などとの共同ブース「クラッチスタイルラボ」を出展し、生地から製品まで各社の強みをアピールしている。豊和は国内最先端の充実した加工設備を生かし、複合加工による見た目にも新しいジーンズを提案した。

高圧染色機による製品染めでリバーシブルに(豊和)
高圧染色機による製品染めでリバーシブルに(豊和)

 

■雑貨

 東京吉岡は、昇華転写プリントを使用した雑貨OEM(相手先ブランドによる生産)を提案している。  アイテムは、レッグ、ピロケース、マグカップ、バッグ、タオルなど。デザインデータを昇華転写プリントし、オリジナル製品が作れる。

 イチ押しは、ボクサーパンツ。インクジェットプリントを使用し、ゴム部分もオリジナルプリントを可能にした。新商品の布貼りノートは、ふたの有無が選べ、100冊から。生地からの支給も対応する。

インクジェットプリントを使用したボクサーパンツ(東京吉岡)
インクジェットプリントを使用したボクサーパンツ(東京吉岡)

 

■靴OEM

 ノスタルジックガレージは、生地をストックし、オリジナル性の高い製品OEM(相手先ブランドによる生産)を打ち出している。60品番、約200反という豊富なストック生地を活用し、伊の縫製工場と直接取引することで、独自性の高い製品の多品種・小ロット・短納期生産を実現した。アイテムは靴、バッグ、帽子など約50品種。

 主力は伊リハビリ用靴「ニューファルコン」。履き心地はそのままに、アッパーは別注でファッション性を高めた。参考小売価格は5800~1万2000円で、納期は3週間。今年から子供用も始めた。

ノスタルジックガレージは約50品種のアイテムに対応
ノスタルジックガレージは靴、バッグ、帽子など約50品種のアイテムに対応

■機器デモンストレーション

 デジタルプリントゾーンでは、各社、機器を持ち込んでプリントのデモンストレーションを行い、初日から多くの人が実演に見入った。

 ミマキエンジニアリングは、昇華転写プリントでCAD(コンピューターによる設計)データから出力した着分プリントを実演、熱転写機も置き、オフィス環境でも設置可能な省スペースのメリットも伝えた。

 上野山機工はテキスタイル用顔料プリントの「ダイアジェット」でデモンストレーションを行った。Tシャツ向けのガーメントプリントでは、アルテックがイスラエルのコーニット製プリンターを、ブラザー工業、エプソン販売も自社の新製品を披露した。

プリントの実演に多くの人が足を止めた
プリントの実演に多くの人が足を止めた

 

■ICタグ

 ICタグによる新たなシステム提案への関心も高い。テンタックではICタグで物流・小売店頭までをつなぐ新システム「ラックテック」を提案している。ICタグの全ての生産を自社でまかなう同社は今春、ICタグのオリジナル機材を埼玉県の工場に配備した。タイの大幅な増設と併せて日本、上海、タイをつないだグローバルな支援体制を本格化している。

 ナクシスでは、エコビズイーエックスと組んで軽量で繰り返し使用できる「エコビズボックス」を出展している。サイズバリエーションを広げると同時にICタグを搭載できる機能を打ち出し、顧客拡大をめざしている。

テンタックはICタグの様々な機能をみせている
テンタックはICタグの様々な機能をみせている

 

■物流

 アパレル生産では東南アジアの重要度が高まっている。FBSに出展している鴻池運輸と日立物流グループの日新運輸は、生産背景の変化に対応した仕組みを提案している。繊維の産業チェーンが整っている中国と異なり、東南アジアは表素材、副資材の調達が一つの国で完結できる国はほとんどない。そのため鴻池運輸や、日新運輸では中国や日本などから素材を縫製する国へ送る調達物流から日本での店舗配送までをワンストップサービスとして提供している。

 

■気象庁とアパ産協 売り場づくりに役立つ気象情報を解説

 日本アパレル・ファッション産業協会と気象庁のブースでは、ファッションビジネスへの気象情報活用方法を提案している。両者がまとめた「アパレル・ファッション産業における気候リスク評価報告書」に基づき、グラフなどを使い分かりやすく解説し、セミナーも行われた。

 調査はこれまで業界で認識されてきた「最高気温が○度を下回ると××が売れ始める」などといった気候の影響を定量的に評価、新たな影響を発見し、結果を活用して気候による販売への影響を軽減するための様々な対応などの可能性を探るために行った。

 気象庁は、「気候リスク管理」のためのポータルサイトを開設し、事例紹介と同時にデータのダウンロードができるようになっている。コートを事例にとってみると女性用コートは、最低気温が10度を下回り始める時期に販売数がピークを迎え、男性用コートはそれに1週間程度遅れて販売数のピークを迎えるといった特徴がみられた。今年の3月には第2弾も出す予定だった。

グラフなどを使い分かりやすく解説(日本アパレル・ファッション産業協会と気象庁のブース)
グラフなどを使い分かりやすく解説(日本アパレル・ファッション産業協会と気象庁のブース)


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