ブラウスが秋も引っ張る 抜け感スタイル続く
16~17年秋冬のレディスは雨や気温の影響もあり、ニット、コートの動き出しが遅れ、ブラウスが市場をリードした。一方でカラーはトレンド前倒しで、夏にカーキやテラコッタ、秋にピンクなど、先取る傾向が目立った。購買に結びつく要因として、女優の石原さとみさん効果が話題となった。
“さとみ売れ”現象も話題に
ヒット商品1位は秋ブラウス。14年秋冬のチェスターコート、15年秋冬のコーディガンに比べて、今年は冬物の遅れが顕著に表れた。今年春夏1位の抜け感ブラウス・シャツの流れを引き継ぎ、カーキやテラコッタ、バーガンディーなど濃いめのカラーのブラウスが売れ筋に。「9月いっぱい売れた」という声もある。
気温が下がってくると、2位のニットトップが浮上。オフショルダー、後ろ身頃が長いもの、背中がV開きになっているものなど、抜け感のあるデザインが良かった。ぴたっとしたリブニットも多く、ヤングではそこにチョーカーを合わせるスタイル。7位のセットアップでも、タイトスカートなどとのニットアップが目立った。
素材ではベロアや微起毛など表面感のあるものがトレンドに。中でもファーは、リアル、フェイクともに多く登場。3位のファー使いのアウターも、ポケットなどに部分使いしたガウンコートや全面ファーのコートなど多彩。5位のファーサンダルも、新鮮なアイテムとしてヒットした。
それ以外の小物では、10位のベレー帽が久々に売れたほか、チョーカーやスカーフなど、レトロなアイテムが良かった。
ボトムは、4位がリボンベルト付きパンツ。ワイドパンツだけでなくテーパードでも共布のリボンベルト付きの商品が多く、ハイウエストでスタイルアップ効果も。ウエストマークのスタイルは、来春夏さらに広がりそうだ。9位のプリーツスカートは、箔(はく)プリントやニット、アシンメトリーヘムなどデザイン多彩に。プリーツ以外では、丈に前後差のあるエレガントなスカートも良かった。
ニット同様、コートも出足が遅かった一方、6位のMA‐1、ライダーズジャケットのようなショート丈アウターをスタイリングに取り入れる女性が多かった。キャリア層は8位のノーカラージャケットがヒットアイテムに。モードっぽいVラインの、軽い羽織り感覚が今の気分のようだ。
秋冬は、大ヒットと呼べるアイテムには乏しかったものの、石原さとみさんのファッションの影響力は絶大。ドラマでの着用商品を中心に、カラーニット、スカーフ、コート、ヘアアクセサリーまで、〝さとみ売れ〟現象があちこちで起こった。