ドレス感覚がポイント
17年春夏、スリッパ型のサンダルが勢いを増してきた。16年春夏に欧州ブランドが提案していた形だ。リラックス感があり、季節を問わずに着用でき、普段使いからパーティーにも使えるラインアップになって、大きなトレンドへと発展している。ジェンダーレスに取り入れられる柔軟性も、大きく広がる要因となっている。(写真=マルコ・ベルトリ)
■女性らしさ
スリッパサンダルは、レディス市場で年々強まるフラットシューズの流れにも合致した。ヒールの付いたミュールサンダルほどエレガント過ぎず、スマートでニュートラルな見え方に新鮮味がある。ただ、形がスリッパだけに、ラフに見えないセンスと、女性らしさが備わる素材、ディテールが鍵となる。
その一つ、トレンドのフリルに着目したのは「ペレテルノ」。安定感のあるローファーをアレンジし、かかとのカーブに沿って品良くあしらって大人ガーリーに見せた。2万8000円。
旬の着こなしを意識する「チェンバー」は、ワイドシルエットのボトムを引き立てるレースアップ仕様にした。3万3000円。「ペリーコ」は、パンプスで人気のホールカットデザインをバックストラップに応用した新型を提案。軽やかでモダンなアクセントが足元を彩る。4万9000円。
■装い引き立てる
アクセサリー感覚や高級感も見どころの一つ。ドレッシーなスタイルを引き立てる。
スパンコール装飾がアイコンの伊「アッティリオ・ジュスティ・レオンブルーニ」は、モノトーンのきらびやかな表面変化でラグジュアリー感を表現した。スニーカー風のラバーソールを使う「カンペール」は、左右異なる配色のフリンジを飾りコンテンポラリーに見せる。2万4000円。
トラッドスタイルの「ショセ」は、エナメルのダブルモンクストラップでドレス感を出した。3万4000円。
メンズでは、上質な物作りにこだわる「フットザコーチャー」が、木靴のフォルムを生かし、ミリタリーテイストの重厚なサンダルを作った。革靴のソールを使い、軽やかできちんとした印象がスタイリングの幅を広げそうだ。4万2000円。
■バブーシュ進化版
インポートブランドでは、かかとを踏みつぶせるバブーシュ型が目立った。革靴のカウンターを抜きつつ、きれいめの素材感やシルエットで上質感を強調している。
「ブッテロ」のバブーシュはウェスタンスタイル。メタリックレザーにステッチで柄を入れ、エキゾチックに見せる。
ユニセックスで作ったのは「ロッコピー」。ひも靴のアッパーをベースに、つま先が反り返ったポインテッドトウでクールな表情を引き出す。
メンズのドレス靴が専門の「マックスヴェッレ」は、シャープなカッティングを強調し、ドライビングシューズのようなカジュアル感を融合した。