夢の繊維、原料量産が実現して初のコレクションを発売――ゴールドウインが、バイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)と共同開発した構造タンパク質繊維「ブリュード・プロテイン」(BP)の普及に向けて、また一歩前進した。9月29日、BPの量産体制が整って初となるコレクションを世界同時発売。東京・丸の内の店舗では、BPを採用した4ブランドの製品(17アイテム)が一堂に揃った。
4年かけて改良
BPは、植物由来のバイオマスを原材料に使い、微生物による発酵で作られた人工の構造たんぱく質。既存の繊維に比べて製造段階での温室効果ガスの排出量を大幅に減らせるうえ、土地や水の使用量削減につなげることが可能だ。また、BP素材自体は生分解性を持つので、最終製品の設計によってはそのまま自然へ返すことができ、石油由来製品によるマイクロプラスチック排出の問題解決への貢献も見込まれている。
さらに、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列は無限にある。それを組み替えるだけで用途に応じた特徴を持つ素材を作り出すことができる。そのためBPは、アパレルが及ぼす環境問題の解決の一助となる「夢の繊維」として期待されている。
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