西印度諸島海島綿協会は、超長綿である海島綿の中でも最高品質といわれる品種「V‐135」の栽培に成功した。百貨店との共同企画で16年春夏物から限定販売し、17年から同協会の会員企業で販売を開始する。
V‐135は、高い品質が世界的に評価されていたが、害虫に弱く、栽培環境も厳しい条件が必要とされるため、後に海島綿の主流となるMSIが台頭するとともに約50年前、商業生産が打ち切られた。
同協会は03年、「V‐135を再生したい」と保管されていた種を入手し、ベリーズで日本人による栽培を開始。高品質なわたを安定的に生産できるよう、12年に渡って改良を重ねた結果、強い光沢を放ち、繊細で柔らかく、しなやかでありながら、強度も備えるわたの商業生産が可能になった。
最大の特徴は、繊維の長さ。超長綿の繊維長が平均35㍉以上、一般的な海島綿が38・1㍉以上に対し、V‐135は40・6㍉以上、60~70㍉を超えるものも多い。紡績は、繊維の良さを最大限引き出せるよう、日東紡が特別な工程を組んだ。年産は、20~50㌧といわれる海島綿の1、2割と希少なため、当面は限定販売を予定する。