今年60周年を迎えるブランド「ニューヨーカー」を運営するダイドーフォワード。コロナ下に社長に就任し、難しい環境下で新たな経営のかじ取りを任された萩原秀敏氏。60周年を一過性のイベントに終わらせず、「ブランド価値を向上するきっかけにしたい」と、常に商品開発でも接客サービスでも顧客起点の考えを貫く。トラディショナルなブランドとして普遍的な価値を守りつつ、時代とともに進化する。これからもお客一人ひとりの人生に寄り添う一着を丁寧に届けることで、100年続くブランドを目指す。
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「喜ばれる質」をキーワードに
――コロナ下の社長就任となりましたが、いかがでした。
学生時代から服好きで、物を売る仕事がしたいと当社に入り、ニューヨーカーの営業やMD、管理部門などを経験してきました。昔と今では現場の悩みも様変わりしていますが、原理原則は変わりません。商品を通じてお客様に喜んでもらうことが大前提です。それが我々全社員の喜びでもあります。これまで受け継がれてきた「喜ばれる質」というキーワードを軸に、生産も販売も根本を見つめ直そうと思っています。
そのためには、商品力の強化が不可欠です。「お客様の求めているものを提供できているのか」を常に考え、MDをしっかり組まなければなりません。先日、店頭を見たとき、「予想以上にすっきりしているなあ」と思ったら、売れ筋商品が切れているだけでした。前年実績主義で目標が低いままでは売り上げも伸びません。もっとメリハリをつけるためにも、売れ筋の精査・改善をすべきでしょう。コロナが終息し、主戦場である百貨店マーケットは高級志向が目立ちます。ニューヨーカーでもブランド価値を高め、新たな顧客獲得を進めます。
――主力ブランドのニューヨーカーが60周年を迎えます。
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