【新刊本】データ思考が未来を変える

2022/11/11 00:00 更新


 繊研新聞社の新刊本「データ思考が未来を変える――DX時代を勝ち抜くデータサイエンスの導入と活用」田中康寛(たなか やすひろ)著(定価2,420円)を紹介します。

 デジタル化の進展が暮らしを変え、ビジネスの変化を加速させています。そのDX時代に求められる取り組みが「データサイエンス」です。単なるデータ分析に留まらない、過去から未来を予測する仕組みやスキルなど、初心者が押さえておきたいデータサイエンスの知識を凝縮しています。

著者紹介


田中 康寛(たなか・やすひろ)

1981年、日本NCR株式会社に入社。NCRから分離した日本テラデータ株式会社でコンサルティング部長などを歴任。その後、デロイトトーマツコンサルティング合同会社に入社。2015年、田中リテールマーケティング合同会社を起業し、現在に至る。日本マーケティング学会会員、杉野服飾大学特任講師(マーケティング・データサイエンス論)。流通業、運輸業を中心とした業務改革、経営・顧客・商品戦略等の実行支援までできることが強み。

 データサイエンスという言葉を聞くと、その響きだけで近づきたくないと思ってしまう人は意外に多いかもしれません。いろいろな理由があると思うのですが、多くの場合、「数学が苦手だから」「理系の仕事でしょう」と考えてしまうようです。次に多いのは、社内でも「自分に関連する仕事ではない」という理由です。どこか遠いところでやっていることと思っている、あるいはそう思いたいというケースです。そのお気持ちはよくわかります。

 ただ、すでにデータサイエンスはみなさんにとって身近なモノやサービスを提供する企業で導入され、成果を上げています。例えばファッション業界では、ECで販売する商品の出荷量予測により倉庫や要員の効率化を実現している企業もあれば、顧客の詳細な購買データに基づいてAIで個々人にスタイリングを提案するパーソナルレコメンドを実現している企業もあります。想像以上に広い分野でデータに基づく業務革新が行われ、その結晶である商品やサービスが私たちのもとに届けられています。

 今やデータサイエンスという言葉が日常的に飛び交っている時代です。ならば、数学は苦手とか、自分には縁遠い世界などと敬遠するのではなく、どのようなものかと覗いてみてはいかがでしょうか。

 本書は、そのような方々へのガイダンスです。数学が嫌いな人でもデータサイエンスを理解できることを目的としています。もちろん理科系の人にも、ぜひお読みいただきたいと思っています。そして読後、データサイエンスに関係する仕事に就きたいと思ったり、実際に就いた際には、ぜひデータサイエンスを積極的に推進してください。そのような思いで本書を書かせていただきました。

 文中には私が現在、教鞭をとらせていただいている大学の講義で学生たちから受けた質問と私からの返答も組み入れました。学生たちの質問はデータサイエンスを基礎から学ぶ過程で湧いた素直な疑問ですので、読者の皆様にも必ずや参考になると思います。

 それでは、最後までお付き合いくださいませ。


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