大手百貨店の4月売上高(既存店ベース、速報値)は5社中4社が前年同月実績を下回った。免税売上高が大都市店で2、3割減少したことが響いた。前年に大きく伸びた反動や円高傾向が影響し、免税件数は増加したが、客単価はラグジュアリーブランドなど高額品の不振で、大幅減となった。国内客売り上げは、個人外商が押し上げて堅調だった。
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三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店が1.2%減だったが、三越日本橋本店が2.3%増、三越銀座店が3.4%増を確保した。免税売上高は16%減で、ハンドバッグなど高額品が伸び悩んだ。客単価が減少した一方で、「化粧品や装身具に関心の幅が広がっている」(三越伊勢丹)と免税件数が増加した。国内客売り上げは4.6%増えた。
高島屋は大阪店が13.9%減、新宿店が5%減、京都店が4.6%減だった。インバウンドの売り上げ比率が高い店舗が苦戦した。免税売上高は32.5%減だった。一方で、玉川店が2.5%増、日本橋店が1.9%増だった。国内客は1.3%増となり、売り上げを下支えした。
大丸松坂屋百貨店は大丸京都店が12.6%減、東京店が8.4%減、心斎橋店が6.4%減だった。梅田店は13.1%増で、大阪・関西万博の効果で押し上げた。神戸店が7%増、松坂屋名古屋店が0.7%増、静岡店が3.5%増だった。免税売上高は21.1%減、国内客売り上げは2.4%増となった。
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店が7.7%減、阪神梅田本店が4.6%減だった。改装工事による売り場面積の減少に加えて、免税売上高が約3割減少したことが響いた。国内客売上高は前年並みだった。
近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が12.3%減で、前年に大幅増だったインバウンドの反動減が影響した。