イタリア・ローマ県ティヴォリの世界遺産である庭園「ヴィラ・デステ」内の「ディアナ洞窟」が「フェンディ」の支援で修復が完了した。5月6日、約50年ぶりに一般公開される。
ディアナ洞窟は、1570~72年に多くの職人たちによって作られた。貝殻やガラスペースト、半貴石、大理石、テラコッタなどの多種多様な素材を使い、素朴ながらも精巧な装飾が施された遺跡だが、老朽化により1980年代から閉鎖されていた。23年から2年をかけて、調査から修復、補強工事が行われた。
フェンディのアクセサリー・メンズウェア部門アーティスティックディレクター、シルヴィア・フェンディ氏は「フェンディにとってこの修復は、まさに愛を表現する行動だ。伊の文化遺産を保護し、高めていく長年の取り組みの最新の成果であり、創業100周年を迎える今年、その頂点を迎えた」と話した。
同ブランドは、これまでにもローマの歴史的遺跡や建造物修復を支援してきた。歴史的価値のある噴水の修復や保護を目的とし、13年に始動した「フェンディ・フォー・ファウンテンズ」の第1弾となった「トレビの泉」の修復には、修復費212万ユーロを単独で拠出した。このほか「ウエヌスとローマ神殿」や「ヴィラ・メディチのサロン」も支援した。
(ミラノ=高橋恵通信員)