ゴールドウインとグループ会社のカンタベリーオブニュージーランドジャパンは16日、仏シチズンサイエンス社と、ラグビー向けのウエアラブルセンシング技術を共同開発することで合意した。
開発するのは、GPS(全地球測位システム)機能に加え、最大25人の十数種類の生体情報と活動情報データを計測できる専用デバイスを搭載したラグビー用シャツとソフトウエア。年内にテストを始め、1年後の実用化を目指す。
ラグビー分野では、GPS機能を備えたウエアラブルセンシング技術は利用されているが、心拍や走行距離、スクラム時の姿勢といった幅広いデータを計測するものは無く、これらをリアルタイムに一元管理するものも無かったという。新技術の開発で効果的なフィジカルトレーニングや選手のコンディション管理、ゲーム戦術への活用が期待できる。
ゴールドウインは14年12月に着圧ウエアブランド「C3フィット」で、生体情報の計測が可能なインパルスシリーズを発売しており、ウエアラブルデバイス製品化への取り組みとしてはそれに続く事例。「スポーツ分野でのIT(情報技術)の活用は始まったばかりだが、可能性はある」(西田明男ゴールドウイン社長)とする。
シチズンサイエンスは昨年経済産業省から補助金を得て東京に事務所を構え、日本企業との連携を強めている。アシックスとは15~16年秋冬向けの製品化を目指し、ランニングウエアでウエアラブルデバイスの開発を進行中だ。