成長の条件(柏木均之)

2019/03/26 18:01 更新


柏木です。

前回のブログから1年近くが経ってしまいました。久々の更新です。

今回は、繊研新聞の紙面に掲載する連載企画の宣伝です。

平成があと1ヵ月ちょっとで終ります。いろんなメディアが平成30年を振り返る企画をやっていますが、繊研新聞も今年の新年号で「平成はファッションビジネスをどう変えたか」という特集企画を掲載しました。

≫≫【新年特別号】平成はファッション業界をどう変えたか

渋カジや109などストリート発のトレンド、ライフスタイルショップのブームや、ユニクロの成長、ゾゾタウンの台頭まで、平成という時代で起こったファッションの商売にまつわるトピックについて振り返り、それが後のファッションビジネスにどんな影響を与えたか、繊研なりの考察を加えました。

かいつまんで言うと、平成の30年で、

物の作り方、消費者の服の選び方と買い方、ファッションに対する価値観が変わった。

ビジネスの主役も、

卸型のメーカーとそれを仕入れて販売する百貨店やGMS(総合小売業)から、SPA(製造小売業)、専門店に変わり、その後ECが台頭した。

消費者の情報を得る手段もテレビ、雑誌から、ネット、SNSへと移っていった。


モノ・コト・情報のグローバル化・ボーダーレス化が進み、均一化・同質化したそれらを、誰もが享受できる世の中になった。ファッションに関して言えば、一定のレベルの商品を皆が労せずして買えるようになり、おしゃれに関するリテラシーも平均値は上がった。

だが、それを消費者に提供するファッション企業にとっては、デジタル化、自動化、グローバル化が進んだ結果、提供できるサービスが均質化したということであり、競争条件も同質化している以上、今後、新たな差別化の要素を見つけ、努力しなければ、客を満足させ、他社に抜きん出て成長を遂げることは出来ない。

といった内容でした。

で、今回の連載ですが、その新年号で読者の皆様に提示した、平成でファッションの商売がどのように変わったのか、という問題意識を引き継ぎ、

次にやってくる時代に、ファッションビジネスで成長するための条件は何なのか。ファッション小売りの最前線でいま起こっている動きから探ろうというものです。

連載では、

①スマートフォンで得た情報を起点に買い物をする購買行動が当たり前になったいま、店頭ではどんな働き方が求められるのか。



②ネットで簡単にモノが買える世の中で、リアル店にはどんな役割を果たすべきなのか。



③SNSの普及で、情報共有の速度が上がった世の中で、めまぐるしく変化する人々のニーズをどうやって捉え、新しい商売を生み出すか。



④消費者はデザインや品質、価格に加え、環境や人権への配慮がなされた商品であるかを購買基準にしている。ファッションにおけるサステイナビリティーはどうあるべきなのか。


といったことについて、見ていきます。

ファッションビジネス・新成長の条件、27日からスタートします。

興味がおありの方はこの機会に是非!

ではまた。

連載は繊研新聞・電子版で


かしわぎ・まさゆき 編集部記者。92年入社、大阪支社で商社など川上分野とアジアを長年取材。02年に東京本社転勤、現在、セレクトショップや外資系チェーン店などを担当。統計資料なども司るデータ番長。大阪府出身。
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