岐阜市の老舗縫製工場、アイエスジェイエンタープライズ。創業から50年以上の、確かな品質と丁寧な物作りに定評がある人気の工場だ。工場を切り盛りする井川貴裕社長は2代目に当たり、同時に技能実習生の受け入れ窓口となる一般監理団体、MSI協同組合の代表理事も務める。多品種小ロットが増え、国内工場を取り巻く環境は決して楽なものではない。これまでどういう思いで工場経営を続けてきたのか。そして今後、どう舵(かじ)取りしていくのか。井川社長に聞いた。
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リーマンショックで体質改善
――2代目に当たる。
当社の前身である井川縫製は、父・井川勝美が1969年に創業しました。私は元々は飲食店を経営するのが夢でした。縫製を学んでいたわけでもなく、飲食店に勤め、厨房(ちゅうぼう)に立っていました。ただ、腰を痛め、入院したのをきっかけに、続けることが難しくなりました。
そんな20歳ごろの時に、父から「ちょっと会社を手伝わないか」と言われました。縫製は経験がなかったのですが、家業なので子供の頃から服を見てきたし、家庭内で物作りの手伝いをしていたこともあります。なじみはあったんですね。そこで父の会社に入社することにしました。
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