伊藤忠商事繊維カンパニーの武内秀人執行役員繊維カンパニープレジデントは5月15日、東京本社で開いた会見で「24年度決算はデサントの連結子会社化に伴い、連結純利益(IFRSベース)738億円を達成し史上最高益。基礎収益も前期比13億円増の283億円となった」と好調な業績を強調した。
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アパレル関連事業会社では、取り込み利益でドームが34億円の赤字(前期は4億円の黒字)、レリアンが3億円(9億円)と苦戦したものの「三景やロイネなどが着実に利益を伸ばした。ユニコ、モードパル、伊藤忠ファッションシステム、コロネットなどがしっかりと利益を積み上げた」として、「繊維カンパニーの基本方針である、安定的に300億円(基礎収益)を稼ぐための基盤づくりが達成されつつある」と自信を見せた。
25年度は基本方針に「次なるステップ」を掲げて、連結純利益380億円を計画。「将来的に純利益500億円を目指すなかで、まずは400億円の基礎固めをする」構え。具体的な施策として、事業会社の経営改善を打ち出す。苦戦したドームは、外部人材を活用した商品力の強化や、値引き販売の抑制、組織の見直しを進める。レリアン、ジョイックスコーポレーション、エドウインなどのアパレル事業会社の収益改善も当面の課題として掲げる。「競合他社の好調な状況と比べて業績回復が遅れている」として、低重心経営の徹底による採算改善を進める方針だ。