伊藤忠商事は今月中旬、全世界での商標および販売権を持つ米「レスポートサック」で、中国に合弁会社を設立する。合弁相手は香港のノボ・グループで、今後3年間で店舗数を100店規模に拡大する。
伊藤忠は日本、中国、アジア、欧州など、レスポートサックのグローバル展開を加速しており、販売網は世界約35カ国に広がっている。中国市場では07年、ノボ・グループとの間で独占販売契約を締結し、事業を拡大してきた。合弁設立により、中国展開に直接携わっていくことで、現地消費者のニーズに沿った商品開発など消費者起点でのマーケティングを強化する。
販路はリアル店舗に加えて、Eコマースも充実させる方針で、リアル店舗とECサイトの垣根を越えたO2Oマーケティングによる効率的な販売システムを構築する。中国事業を強めるのは、日本、香港、台湾、韓国、東南アジアなどの小売り市場に占める中国人旅行客の割合が急増していることも背景にある。今後もレスポートサックのグローバル展開で、中国人消費者の重要度がますます高まると判断し、中国での販売、PRをこれまで以上に強めることにした。
パートナーのノボ・グループは、香港を拠点とする小売り企業で、03年の設立。これまで1000以上のインターナショナルブランド、デザイナーブランドを中国市場に導入した実績を持つ。