岩田屋三越は顧客満足向上と顧客接点拡大のための新サービスとして、8月下旬からストア・アテンダント・サービスを開始した。岩田屋と福岡三越の各フロアや店舗の垣根を越え、顧客の買い物に同行サービスを行う専任のストアアテンダント3人を配置、ワンストップショッピングの優位性を生かすとともに、顧客の潜在ニーズの掘り起こしを狙う。
原則として3日前までの電話予約制で所要時間の目安は約2時間、サービス料は不要。現時点では想定より利用件数が伸び悩んでいるが、オケージョン別に装いのコーディネート提案を求める依頼や、ギフト選びの助言を求める利用者が目立ち、「実際の利用者の満足度はかなり高い」(藤田宜子販売サービス部業務改革推進担当・ストアアテンダント次長)と言う。
ハウスカードや友の会会員向け情報誌、ホームページ、チラシなどでサービス内容を告知し、認知は広がりつつある。今後ギフトシーズンに向けて利用拡大を見込むが、現在は店頭で接客しているショップスタッフからの顧客情報で動くケースが少なくない。
4月に婦人服や婦人服飾など六つのカテゴリーごとに岩田屋17人、福岡三越11人のフロアアテンダントを配置しており、ショップスタッフからフロアアテンダントに顧客の要望を伝え、フロアや店舗をまたぐ要望にはストアアテンダントが対応するパターンだ。
例えば、岩田屋の紳士肌着売り場のスタッフが聞いた「旅行に着ていく服を探している」という顧客の声をストアアテンダントに伝達、福岡三越の売り場に案内して旅行にマッチする服、バッグ、靴のトータル販売につながったケースなどがある。ショップでの接客中に顧客が話すニーズを、フロアアテンダントやストアアテンダントに確実に伝える基本動作の徹底が進めば、こうしたケースが更に増えそうだ。