カワボウ代表取締役社長 川島政樹さん 地域貢献できるオンリーワンのSCづくり

2023/08/07 11:00 更新有料会員限定


カワボウ 川島社長

 岐阜市の商業施設「マーサ21」は88年11月の開業からまもなく35周年を迎える。現在でもグループ企業で繊維産業を行っているカワボウ(旧川島紡績)の基幹工場の旧正木工場を商業施設に転換し、岐阜県下を代表するSCに成長した。「少子高齢化」「地方都市」「単館」「競争激化」というSCの成長を妨げるような厳しい環境の中でも「地域に密着して地域に貢献する」姿勢を守り、地域のコミュニティーセンターとしてのSC像を着実に築いてきた。会社設立から80周年、そしてマーサ21が開業35周年という「節目」を迎え、「地方」「単館」という環境を跳ねのけながら「地域になくてはならないSC」として存在価値を高める。

地域に根を張り事業継続が存在価値

 ――「マーサ21」の開発への思いは。

 元々は川島紡績からのスタートで、正木地区にあった基幹工場からSC事業に切り替えるまでは2000人が働く紡績工場でした。現在も繊維関係事業はグループで継続しています。紡績工場の時代から地域に密着して地域と共に歩んできた歴史があり、事業を通じて地元にどうコミットしていくか、地域に根を張って事業を継続していくことが私たちのアイデンティティーです。

 マーサ21は88年に現南館にイオン岐阜店を核店舗にオープンしました。当時はSCの黎明(れいめい)期で、地元では大きな話題になり、お客様もたくさん来てとても繁盛しました。7年後の95年に北館を増設しています。88年当時はまだ定期借家法がなく、テナントとは20年の普通借家契約でスタートしました。20年後の普通借家契約の満了後の08年に東館を増設し、それ以降はテナントと7年間の定期借家契約を結び、7年ごとに15年、22年と一定の経済ルールに基づいて大規模なリニューアルを繰り返してきました。

 ――成長への新たな懸け橋になったことは。

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