金城学院大学国際情報学部の佐藤ゼミ アクセサリーでコロナ禍のカンボジアを支援

2020/07/27 11:00 更新


 「〝カワイイ〟で私がかわる、世界をかえる」をコンセプトに金城学院大学国際情報学部佐藤奈穂ゼミの学生が手掛けるアクセサリーブランド「ディアガール」は、コロナ禍で収入を絶たれたカンボジア女性を支えるため、クラウドファンディング(CF)による緊急支援プロジェクトを始めた。毎年カンボジアのトロッペアニトゥム村を訪れて現地の女性にアクセサリー作りを教え、販売した収益で経済的な自立につなげる活動をしてきたが、コロナにより渡航ができなくなったため、CFに取り組んだ。愛知県の高校生を巻き込んだアクセサリー作りも新たに始める。

(近藤康弘)

 シェムリアップをはじめとしたカンボジアの観光産業が壊滅的な影響を受け、外国人観光客が戻る見通しが全く立たないなか、今年度中に3回支援金を送ろうと決めた。1回目の緊急支援として現役学生と卒業生で30万円の寄付金を5月上旬に送った。16人の女性に届けられた金額は1人当たり約1万7000円。普段働いて得られる月収に相当する。

5日間で目標額超す

 第2回目の支援策がCF。6月25日からキャンプファイヤーのサイトでディアガールの復刻版アクセサリーのほか、現地で日本人が立ち上げたブランド「スイジョー」と協業したポーチ、特産のコショウやカシューナッツ、Tシャツ、パンツなどを掲載し、5日間で目標の支援総額60万円を超え、今は8月10日までに120万円を目指している。

シーグラスで作ったピアス・イヤリングやネックスが人気

 「支援者の属性はまだ分からないが、学生がつながる親や友人、バイト先の関係者、大学関係者、以前からの支援者などではないか」(佐藤准教授)とみる。卒業生が発信するTikTokのフォロワー増加も拡散につながっている。

 海岸に落ちているガラスを再生したシーグラスのピアスやイヤリング、ペンダントなどが人気。過去のプロジェクトでは沖永良部島の海をきれいする活動の一環で集めたシーグラスを使っていたが、今回は地元愛知県の海岸で集めた。スイジョ―との協業では伝統的な布地クロマ―を裏側に使ったポーチを出した。商品の発送は10月の予定。

シーグラスのアクセサリー

活動の理解広める

 第3回目の支援として進めているのがディアガールのメンバーの出身校である光ヶ丘女子高等学校国際教養科と安城高等学校生活文化科の生徒の力を借りたアクセサリー製作だ。国際協力に関心があったり、手芸を得意とする高校生にカンボジアへの支援活動の理解を広める狙いもある。9月から製作に取り組み、10月に発売を予定する。ディアガールのイベントやマルシェなどで販売し、収益金をカンボジアに送る。

 ディアガールは15年に始まった活動で今年度は6期生、11人の3年生が参加する。ただ、コロナウイルスの感染拡大で、例年なら6月に訪れていた現地での活動はできなくなった。「現地に行って相互の関係を作ることに重要な意味がある」と学生の一人は話すが、残念ながら今年度は行ける見込みがほぼない。

 今回取材に応じてくれた4人は1年生の時にカンボジアに行き、活動に魅力を感じて参加しただけに「ゼミを終えても次期の訪問に付いていきたい」という。おしゃれなアクセサリーの発信を通じた社会貢献に取り組み続ける。

ディアガールのメンバーのうちの4人(手前左から鈴木恵さん、ゼミ長の後藤みなみさん、後ろ左から馬場葉月さん、山本瑞季さん)


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