ベルリンファッションウィークも開催されていた今週は、メイン会場以外でも様々なイベントが開催された。
その中でも注目したいのが、デンマーク、コペンハーゲン発のブランドWOOD WOOD。トレンドど真ん中なデザインながら日本ではまだそこまで展開されていないのが不思議なブランドの1つだ。
そんななか、ヨーロッパ限定でリリースされたWOOD WOOD×ChampionのコラボレーションラインのローンチパーティーがW.W.Berlinで開催されたので、顔を出した。
Championと言えば、アメリカの老舗スポーツメーカーとして誰しもが知っているが、テイストの違うブランドと様々なコラボ企画を展開し、話題になっている。
WOOD WOODとは、Tシャツ、パンツ、ポロシャツなどといった定番アイテムの袖に定番のChampionロゴといった一見オーソドックスに見えるラインナップだったが、カラーはブラック一色、フロントやバックにグラフィックデザインされたCのロゴが大きくプリントされ、すぐ下にはW.W.が。
さりげなくホワイトパイピングが施されていたり、ちょっとした細かいディテールやトレンドを意識したシルエットなど、スポーティーになり過ぎないデザインはさすが。
スポーツウェアはどうしても、もさっとしてしまいがちだが、旬なブランドとのコラボで一気にマストバイブランドへと変身し、ファッショニスタに愛されるようになるのだからすごい仕掛けだと思う。
WOOD WOODの既存のコレクションは相変わらずスウェット押しのようだったが、もはやスウェットは古着のLevi’s501とスニーカーに合わせるためだけに存在していないことは誰しもが知っていること。
向かいのラックに掛かっていたSONIA by Sonia Rykielを見ながら、良い素材を使ったキレイなシルエットの”カジュアル”たちがますます市場を埋めていくのかもしれないなあとぼんやり思った。
ベルリン=ブラック=ミニマルモード この法則は何があっても崩れないだろうし、このパーティーに訪れていた関係者もほとんどが全身BLK。本当にWOOD WOODのパーティーなのか?と思うほど色がない。
そのせいもあるのか、世界的人気ブランドのショップであっても、ベルリンにおいてはなかなか店舗拡大されない。
そんな中、WOOD WOODは、もともとセレクトショップにしていた店舗をシューズ専門店にし、10m先に新たにアパレルメインのショップをオープンさせた。
ドイツ国内で大きく展開を始めているカジュアルブランドメインのセレクトショップでもデンマーク発の新進気鋭ブランドをここぞとばかりにセレクトし、COSより安い値段設定でオリジナルブランドも展開している。
H&MやPRIMARKはトレンドとは関係のない単なる使えるデイリーウェアであり、アメリカ発のUrban Outfittersの人気はますます浸透し、アップカミングなブランドは全て北欧。そんな時代の流れを真っ黒い街ベルリンで垣間見た夜だった。
宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。