気持ちもはやるベルリンのオープンエアパーティー(宮沢香奈)

2015/03/20 12:26 更新



「Open Airs Berlin」より


 ドイツなら大丈夫だろうと、何の根拠もなしに高を括っていた花粉症に思いっきり打ちのめされている今であるが、同時に春の訪れがカウントダウンされたとポジティブにも捉えている。暖冬だったとは言え、暗く長い冬が終わりを告げるのはとても嬉しい。

強風と三寒四温が繰り返されて、なかなか暖かくならない日々に、”早く!!”とつい前のめりになってしまうけれど、前のめりになってしまうのは、春がやってくることだけではない。暖かくなる=カフェやレストランのオープンスペースが開放される。

緑豊かな公園にも人が集まりだし、街も人も一気にパーッと明るくなる。これを合図に最高の季節がやってくる。

そして、外と言えば、オープンエアーパーティー!! 何よりこれを心待ちにしている。早まる気持ちを抑えながら、個人的に注目しているオープンエアーパーティーやヴェニューを紹介したい。

 まずは、一足先にオープンスペースを解禁したクラブIPSE。

本格オープンは4月5日にアナウンスされているが、まだラインナップ等の詳細は出ていない。シュプレー川沿いに密集しているクラブエリアの一角に位置し、ボロボロの掘建て小屋に、デコレーション、そこにサウンドシステムが設置され、ヒップなクラバーたちが集まれば、退廃的なボートハウスはあっという間にクールな場所に様変わりする。

私は行けなかったのだが、15℃を超えた土曜日のデイタイムは太陽の光に囲まれた最高のオープンエアーパーティーになったという。次のアナウンスが待ち遠しい!

 

(ipse 「 official」より)

IPSE

von dem schlesischen Tor 2b 10997 Berlin

 

arena1 「BANANA」より


続いて、大本命のこちら!! 今年で10周年を迎えるBerlin Festival2015

5月末の3日間、上記のIPSEと同じくシュプレー川沿いのクラブエリアに位置するArena Parkで開催される。

毎週末、フェス状態の驚きのラインナップなのがベルリンのクラブの特徴であるが、フェスのシーズンイン、そして、10周年とあって、お祝いに駆け付けるメンツの豪華さにはもう溜め息の連続(良い意味で!)

 Underworld, James Blake, Róisín Murphy, Seth Troxler, Carl Craig, Robert Hood, Rudimental and Ten Walls, Richie Hawtin, Fritz Kalkbrenner, Dixon, Tale Of Us, Âme (live)

 これだけではなく、まだまだ、ラインナップアナウンスされるとあって、もう楽しみで仕方がない!

5月末はベルリナーにとってはもう夏も同然。絶好調に達した人々が、シュプレー川のシンボルであるプールに飛び込む姿が目に浮かぶ。

見るだけでテンションが上がるオフィシャル映像がこちら。 



Arena Berlin

Eichenstraße 4 12435 Berlin


cdv Photo by Mari Inoue


続いて、ここはベルリンに初めて行った際に現地に住む友人に連れて行ってもらった思い出のクラブ、CDVことClub der Visionaere

こちらも5月1日に近隣の多くのクラブと足並みを揃えてオープニングが開かれる。普段はバー&レストランとして営業しており、シーズン毎に期間限定でクラブとなるため、タイミングを逃すとパーティーにありつけない。まだ開催アナウンスのみとなっているけれど、オープニングは間違いなくすごいビッグネームを出してくるだろうと予想している。絶対に見逃せない!

Club der Visionaere

Am Flutgraben 1 12435 Berlin

 
Rum「official」より


クラブエリアから少し離れたところに位置するRummelsburgのロケーションが素晴らしい。

ダンスフロアーは砂の上、周りにはヤシの木、草木で装飾されたステージ、シュプレー川がビーチと化し、海のないベルリンにいながら、どこかのリゾーチ地にいる気分が味わえる。室内のロケーションにも圧巻である。写真を撮らずにはいられないミニマル空間に続々する。

Rummelsburg

Rummelsburger Landstraße 2-12

 紹介記事を書きながら、ワクワクして来たけれど、嬉しいニュースばかりではない。ここ最近では、デベロッパーによる都市開発で古い建物が次々なくなってしまうという現象が起きている。クロイツベルグやフリードリッヒスハインといったクラブエリアは絶好のターゲットとなっており、様変わりしていまうのでは?と心配の声が上がっている。

クラブビジネスで成り立っているベルリンでは、日本の様な風営法はないが、ロンドン同様に都市化されて、便利になる街の宿命なのだろうか。

ファッション的にもここ数年ずっと注目されている”Hipster”たちも都市開発と共にいなくなるのかもしれない。

せっかく来たのにもうそこには存在してなかった!ということがないように、下記などを参考してしてから訪れて欲しい。

■国内外のパーティー情報からチケット、送迎、現地アテンド手配などを行っているBANANA

■クラブ好きなら誰でも知っている世界のRA

■日本一海外フェスに行っているフリーライターによるリアルレポートFestival jankie

■世界中のフェスのチケット販売を専門に取り扱っているFesticket




宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。



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