小倉縞縞 建築家・隈研吾氏と協業したインテリア向けテキスタイルを販売開始

2023/05/23 06:29 更新


「クマシマ」を使ったソファとカーテン

 綿織物「小倉織」メーカーの小倉縞縞(北九州市、渡部英子代表)は、建築家・隈研吾氏と協業した建築・インテリア向けテキスタイル「クマシマ」の販売を開始した。インテリアショップのタイムアンドスタイル(運営はプレステージジャパン、吉田龍太郎代表)がクマシマを用いて製作したソファやベッドなどの販売も始めた。

 小倉織は、北九州市に江戸時代から伝わる綿布。多用した経糸による立体感のある縦縞が特徴。地厚でしなやかな質感で、かつてははかまや学生服に使われたが昭和初期に断絶した。その後、染織家の築城則子氏が復元・再生し、現在では地域団体商標に登録されるなど復興を果たしている。築城氏は小倉縞縞のデザインを監修している。

 クマシマ「葉脈」シリーズとして発表した生地は、小倉織の特徴である縦縞がグラデーションのように広がる。生地は4種類。「闇の中にぼんやり見える何か」を黒い生地の中に縞で表現した「闇の気」のほか、暗い緑に薄いストライプが見え隠れする「深い森」、深い緑に縞模様で葉脈を表現した「光放つ葉」、白のグラデーションで自然光を表現した「無伴奏・白」がある。

 隈氏が発案した「植物の力」のフレーズのもと、自然が持つ「揺らぎ」のような偶然性を表現した。森の中にある築城氏のアトリエにインスピレーションを受けて思いついたという。従来のプロダクトには模様を用いないという吉田氏も「縦にも横にも使える縞模様との出会いによって、模様が入った家具を打ち出すに至った」と話す。

 クマシマを使った家具の販売は、タイムアンドスタイル全店で行う。テキスタイルも企業向けに1メートル当たり1万9000円で販売、タイムアンドスタイル全店と小倉縞縞本店で扱う。



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