カジュアルウェア「メゾンシュンイシザワ」を手掛けるデザイナーの石澤駿さん。ブランドのアイコンでもある刺繍は、24年春夏物から若手の横ふり刺繍職人でデザイナーの泉谷陽来さんが担う。泉谷さんはスカジャンの本場、神奈川県横須賀市の熟練職人のもとに弟子入りして腕を磨いている。
横ふり刺繍は針が左右に動く横振りミシンを使って職人の手で直接生地に柄を起こす技法で熟練の技と手間が必要となるため、年々技術者も減少してきている。刺繍のモチーフは日本古来の鬼や妖怪、縁起物のだるまに始まり、最近では石澤氏が好きな都市伝説やオカルト要素のUFOや宇宙人なども描く。
ブランドは札幌を拠点に21年にスタートし、24年春夏物から関東に拠点を移した。パンクの反骨精神をテーマに、アンダーグラウンドなイメージをデニムのハードな加工や刺繍をミックスしてジャンルレスに表現してきた。25年秋冬物からリブランディングしてポップなモチーフを刺繍やグラフィックに使うことで、ファンの幅を広げている。
オリジナルの宇宙人キャラクターを使った人形型バッグは女性からも人気だ。製作は石澤氏の祖母と母親が担当する。人気とともに生産数はどんどん増えている。
■石澤駿(いしざわ・しゅん)
北海道文化服装専門学校を卒業後、自身のブランドを立ち上げた。
