算数で極める達人MDへの道《第2講》③(佐藤正臣)

2019/09/04 06:00 更新


MD予算設計の目的は?②


Dさん、前回はマーチャンダイジング(以下MD)の予算設計の目的についてお話でした。


■マサ佐藤のMD連続講座@東京 8期生募集中! 詳しくはこちらから


へい(''◇'')ゞ MDの予算設計の目的は、(期・シーズンの)自分たちのショップの”意志”と”仮説”を数字で表現すること! このことだと教わりました。


Dさん。その通りです。そして、できるだけ具体的に数字で表現することが大事だと。


へい。そこで、前回は終了でしたね。そして今回は、どこまで具体的に予算設計した方がいいの?という話ですね。で、せんせ。結局。どこまで具体的にしたらいいのですか?


はい。それは、最初の回でもお伝えしたように、組織・ブランド・ショップ、それぞれにとっての”最適”の予算設計の手法・手段は、相対的に変わる!と私自身は思っています。ということで、Dさんとのやり取りの中で、今後どこまで具体的にするか?を一緒に考えていきましょう。


へい。(コイツもったいぶんなよ...)。せんせ。ただ今後予算設計をしていく中で、何か意識すべきこととかありますか?


Dさん。良い質問です(何か以前と比べ賢くなったか?)。意識すべきことがあるとしたら、”自分たちショップ・ブランドの顧客の心理を反映できるもの”、ということを意識した方がいいでしょう。


なるほど、何か理解出来たような気がするのですが、そのことをもっと具体的に言うと、どんなことですか?


Σ( ̄□ ̄|||)(意外にしつこいな)。はい。例えば、ショップやブランドが売っている商品。そしてターゲットする顧客は、それぞれに違う筈です。特に、適時を表す販売期間。そして、適量を表すカテゴリー(品種)の括り方。これらのことは、自分たちショップにとって、顧客の心理を反映できるコード・ルールにしなければなりません。


へ。


例えば、トレンド性の強いレディースブランドなどは、当然のことながら、売る期間は短くなるでしょうから、販売期間を表す、シーズンや季節コードが多くなるかもしれません。また、メンズのシャツ専門店であれば、シャツという括りだけで、商品コードを括ってしまっては、顧客の心理は掴みづらいものになるでしょうから、色なのか、襟のデザインなのか、スリム等の形なのか、自分たちショップの顧客の心理を反映できるコードをそれぞれに考える必要があるでしょう。


なるほど、せんせが言っていることが、ほぼ理解出来たような気がします。私も入社依頼。自分たちショップの商品コードなど疑問に思ったことがなかったのですが、改めて、そのコードで顧客の心理を反映できているのか?を、今度深く考えてみようと思います。


Dさん。素晴らしいです。そのことに気づいただけでも進歩です。で、ここで話は変わるのですが...。


へい。なんでしょう。


良いマーチャンダイザー(以下MD)の条件って何だと思います?


いいMDの条件(*_*)・・・・・(考え中)・・・・・良い点や悪い点に”気づく”人ですか?


大ブラボーです!


ありがとうございますm(__)m(相変わらず,こいつブラボー好きやな...)。


ただ、そんな資質をもったMDなんてめったにいないんです。


ですね。。。私くらいしか見たことありませんね(笑)。


そうなんです。Dさんみたいな人は、そういないんです(笑)。だからこそ、MDの予算設計をしっかりとする必要があるのです。


ですよねw(私のこと優秀と認めたぞww)。


要は、気づく人が少ない組織ならば、組織全体で問題点に気づくようにしたら良いのです。アラート(警告音)を鳴らす仕組みを作る。そのことが、MDにおける予算設計の別の目的だとも言えます。


アラート???


はい。昔の車は一定の速度を超えると、「キンコンキンコン」と警告音がなって、ドライバーに注意を促します。そうすると、ドライバーはスピードの出し過ぎに気づきます。要は、MDにおける予算設計を行うことによって、そのアラートを鳴らす仕組みを作るということです。そのことが、指針となり、問題が起こった場合の気づきのスピード。そして、問題の改善のスピードを早めることに繋がるのです。


せんせ。何か、例えがヘタクソですがw...言っている意味が良くわかったような気がします。


理解して頂けて嬉しいですm(__)m(例えが、ヘタクソって_| ̄|○)...。あと、MDにおける予算は、前述したように、予算そのものが、測定するための指針となるわけですから、よっぽどの事情がある限りは、変えてはいけません。そのことの重要性は、また後の回でお話したと思います。


了解しました(''◇'')ゞ


では、次回は、MDの予算の基となる数字は、どこから持ってくる?、ということを考えていきましょう。


へい。では、皆さん。また次回をお楽しみに(@^^)/~~~


95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



この記事に関連する記事